今や“親が黙認”することも…卒業シーズンに「制服」を売る女子高生が減らない理由 「売ったお金で卒業旅行に行けるならいいんじゃない?」

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親が制服の売却を容認してしまう

 女子生徒の制服や上履き、靴下などを売買する行為は、かつては“ブルセラ”などと呼ばれてPTAなどからも嫌厭されていた。ブルセラとは、ブルマとセーラー服を合わせた造語であり、使用済みのパンツを売って荒稼ぎする女子生徒も現れ、1980~90年代には社会問題化した。

 ところが、近年は女子生徒の親にも変化が見られるようだ。制服を売ることに対して「別にいいんじゃない?」と、寛容になっているのだという。前出のDさんも、親に一度相談したというが、止められなかったと話す。

「私の友人も制服を売ってしまったのですが、親は黙認だったそうです。そもそも、制服が高く売れるのは親の間でも常識みたい。私の場合も、親から“売ったお金で卒業旅行に行けるなら、いいじゃん”とか、“買ったときの値段よりも高く売れちゃうのね”と言われました。親に危機感がなくて、私の方がびっくりしたほどです」

 10代の少女たちの親にあたる世代は、バブル期の影響もあって制服がかなりの高額で販売できたという。「いまマニアの間で10万円で売れる制服が、90年代なら20万円以上で取り引きされたと思います」と話すのは、制服マニア歴30年というコレクターである。

 そういった時代を経験している親ほど、もしかすると制服を売ることにあまり抵抗がないのだろうか。もしくは、相変わらずの物価高の影響で、不用品の制服が少しでも金銭的な足しになればいい、という感覚もあったりするのかもしれない。

日本人は高額な制服を買えない

 とはいえ、“客層”には変化がみられるようだ。かつてのようなブルセラ趣味の日本人は鳴りを潜め、買い手は中国を筆頭に、外国人が主体になっている。日本のアニメや漫画が海外でも人気になり、おしゃれな制服のデザインに注目が集まっているためだ。コスプレのような感覚で日本の制服を着用し、楽しんでいる外国人もいるという。

 対する日本人は、いわゆる“無名校”にあたる数万円程度の制服をメインに買い求める人が多いといわれる。なかでも10万円以上する“名門校”や“ブランド校”の制服は「易々と手を出せない」傾向にあるようだと、前出のコレクターが話す。

「世間の人たちは制服好きというと、性的な目的で制服を買っているイメージを持つかもしれません。しかし、そのために、わざわざ制服に10万円出す人は極めて少ないと思います。性的な目的の人は女子高生を思い起こさせるものであれば何でもいいので、ごく一般的なデザインを採用する公立校の制服や、ディスカウントショップで売られているコスプレ用の制服でも十分なんですよ。

 ところが、外国人は明確にデザイン目当てで買っています。バブル期は森英恵や山本寛斎がデザインした制服が全国各地で採用されましたが、今や不景気の影響で安価な制服にモデルチェンジしてしまいました。一方で、モデルチェンジをしていない学校の制服はブランド化しており、高値で取り引きされています」

 なお、ボロボロになった上履きは日本人のマニアに人気なのだとか。1万円以下で“お手頃”なうえ、手軽に女子高生の“思い出”を感じ取ることができるためなのだという。購入者が上履きをどのように扱っているのかという具体的な話をここに書くことは控えておくが、少なくとも鑑賞して楽しんだりする目的ではないようである。

 取材をしてみると、女子高生の愛用品の楽しみ方にもずいぶんと国民性というか、国ごとの明らかな格差が感じられる。こんなところからも、日本がどんどん貧しくなっている様子が見て取れるのが残念である。

デイリー新潮編集部

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