ちゃんみな「イッテQ」出演は事件だ 放送禁止用語も飛び出す、衝撃のバラエティ魂

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

女性芸人軍団は拍手喝采

 続いてのチャレンジは、湖の上に浮かぶ小さな足場にターザンロープで飛び移るというもの。5人中4人が無事に渡ったが、5人目が足場に乗ったところでバランスが崩れ、全員が湖に落ちる羽目になった。ここでちゃんみなが見せた行動が、さらなる盛り上がりを生み出した。

 現場にいた演出担当の長田ディレクターに「いきます?」と声をかけて、彼をチャレンジに引きずり込んだのだ。スペシャルゲストからの直接のご指名を断り切れない長田Dは挑戦する羽目になり、あえなく湖へ落ちていった。彼の演出でこれまで散々な目に遭ってきた女性芸人軍団は、拍手喝采で大いに盛り上がった。

 最後に行われたのは「FIRST TAKE」のパロディ企画である「寒中TAKE」。5人全員が金髪ロングヘア、赤リップのメイクからコスチュームまで「ちゃんみな」になりきった姿で、極寒の湖に浸かったまま代表曲「SAD SONG」を歌い切るという企画だ。全員で手をつなぎながら、それぞれのパートを振り分けて必死に歌う姿はそれだけで笑いと感動に満ちていた。

 見事にチャレンジは成功したものの、ちゃんみなは歌の途中で自分が笑ってしまったことに納得がいかなかった。彼女は自らやり直しを提案し、「今度は1人で歌いたい」と宣言した。

 5人で湖に浸かったまま、ちゃんみな1人が最後まで「SAD SONG」を歌い切った。極寒の中で一切手を抜かなかったその姿にはアーティストとしての意地とプライドが感じられた。

 明るさ、華やかさ、アドリブ力、コメント力、度胸、根性など、ちゃんみなのバラエティスキルは尋常なものではなかった。アーティストとして超一流でありながら、このままタレントになっても売れっ子になれるだろうと思わせるほどの実力を見せつけていた。

 その根本にあるのは圧倒的なサービス精神だ。目の前の人を全力で楽しませることにおいては、音楽もバラエティも同じ。今回の「イッテQ!」は、ちゃんみなというアーティストの底知れない魅力を、音楽ファン以外の層にも広く届けることに成功していた。

ラリー遠田(らりー・とおだ)
1979年、愛知県名古屋市生まれ。東京大学文学部卒業。テレビ番組制作会社勤務を経て、作家・ライター、お笑い評論家に。テレビ・お笑いに関する取材、執筆、イベント主催など多岐にわたる活動を行っている。お笑いムック『コメ旬』(キネマ旬報社)の編集長を務めた。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり 〈ポスト平成〉のテレビバラエティ論』(イースト新書)、『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)、『松本人志とお笑いとテレビ』(中公新書ラクレ)など著書多数。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。