選手が乗るバスにタンクローリーが追突…あわや大惨事に…プロ野球のキャンプ中に起きた“衝撃事件”

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すぐ注意しようと思ったけど……

 キャンプ中、スナックで警察沙汰になる事件を起こしたのが、阪神時代の伊良部秀輝である。

 沖縄キャンプ中の2004年2月7日未明、伊良部は門限の午後11時を過ぎているにもかかわらず、石川市(現・うるま市)のスナックに友人2人とともに泥酔状態で現れ、ボックス席にいた客十数人の頭を小突くなどしてはしゃいでいたという。

 本人はファンサービスのつもりだったようだが、酔った男性客の一人が「何で叩くのか!」と怒り、伊良部と取っ組み合いに。従業員や客ら6、7人が取り押さえ、間もなく騒ぎは収まった。

 ところが、その後、男性客が石川署に被害を訴えたことから、翌8日、伊良部は島野育夫管理部長とともに事情聴取を受けることになった。同署では「事件性はない」として、それ以上捜査することはなかったが、球団は「団体行動の規律を破った」として、伊良部に厳重注意の上で、罰金30万円を科した。

 「大事なキャンプ期間中に門限を破って迷惑をかけたうえ、(翌朝)風邪をひいて熱まで出した。どのようにとられても仕方ない」と反省する伊良部に、岡田彰布監督も「練習では若手の見本になっている。グラウンド外でもそうあってほしい」と戒めの言葉を贈った。

 さらに2月12日、今度は宮崎県日南市でキャンプ中の広島の捕手・木村一喜が門限を破り、スナックで男性客と喧嘩になり、殴られて顎の骨を骨折する事件が起きた。相次ぐキャンプ中の選手の不祥事に、球団側も「伊良部の(事件の)ときにも、すぐ注意しようと思ったけど……」と困惑の態だった。

一部のファンの行き過ぎた行動で肩を痛めた松坂

 ファンに腕を引っ張られ、右肩を痛めるアクシデントに見舞われたのが、中日時代の松坂大輔である。

 2019年2月11日、北谷キャンプに参加していた松坂は、右肩の違和感を与田剛監督と阿波野秀幸投手コーチに訴え、話し合いの末、当分の間、ノースローで調整することが決まった。

 その原因となる事件が起きたのは数日前だった。ブルペンからメイングラウンドに移動していた松坂は、花道の両側に並ぶファンが差し出す手にタッチで応じていたが、突然右腕を後方に引っ張られる形になり、直後、右肩に違和感を覚えた。

 18年に6勝を挙げ、カムバック賞を受賞した松坂は、チームきっての人気者とあって、ネットオークションでサイン入りグッズが多数出品されていた。これに対し、球団側も転売目的で選手にサインを求める行為の自粛を呼び掛ける異例の声明を出していた。

 そんな矢先に、一部のファンの行き過ぎた行動により、松坂が投手の命とも言うべき肩を痛めてしまったのは、残念な一事だった。

 その後、2月10日までキャッチボールを行うなどして、状態が上向くのを待ったが、違和感はなくならず、同12日、病院で検査を受けた結果、右肩に炎症があると診断された。さらに16日、名古屋でチームドクターに診てもらうため、キャンプを完全離脱することが決まった。

 3月29日の開幕戦、DeNA戦で松坂を開幕投手の候補に挙げていた与田監督も「(本人も)『うまく治る、痛みが消えるんじゃないか』と厳しくは考えていなかったと思う。悩んだだろうし、かわいそう。不慮の事故という形なんでね」と表情を曇らせた。

 同年、前半戦を棒に振った松坂は、調子が戻らないまま、わずか2試合の登板に終わり、退団、古巣・西武に復帰後も首の痛みや右手のしびれなど故障との闘いに明け暮れた。だが、復活することなく、21年限りで現役引退となった。

久保田龍雄(くぼた・たつお)
1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。最新著作は『死闘!激突!東都大学野球』(ビジネス社)。

デイリー新潮編集部

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