やっぱり「戦国時代モノ」は強かった!? 好調な視聴率が続く「豊臣兄弟!」に“王道”大河の安定感

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話題性のあるキャスティング

 豊臣秀長を大河史上初めて主役に持ってきたことはもちろんだが、血を見ることが嫌いで知将のイメージが強い兄・秀吉が第1話で間者(勝村政信)を切り捨ててしまう武闘派として描かれているのも新鮮だ。

「何度もドラマ化されている時代ですから、わかりきったキャラ設定では視聴者は離れてしまう。かといって、イメージから離れすぎるわけにもいかない。そのあたりのさじ加減が見事です。第1話でベテラン俳優の勝村さんを殺してしまうというのも思い切った起用法でした」

 配役も興味深い。

「信長役の小栗は2022年の大河『鎌倉殿の13人』、信長の妹・市役の宮崎あおいは08年の大河『篤姫』、松永久秀役で出演予定の竹中直人は96年の大河『秀吉』に主演した実力者ですが、彼らを脇に回して仲野と池松という若手実力派を主役に据えました。視聴者にはフレッシュさと好感度を持って迎えられていると思います。また、柴田勝家役に映画『侍タイムスリッパー』に主演した山口馬木也、森蘭丸役に香川照之の長男で歌舞伎俳優の市川團子を起用するなど話題性もある。安藤サクラのナレーションも落ち着いていて好印象です」

 さらに、降板騒動も味方した。

尻上がり大河となるか?

「秀長の幼馴染みである直役は永野芽郁が演じると発表されていましたが、不倫騒動で降板。代役として無名に近かった白石聖を起用し、好演が話題になっています。20年の大河『麒麟が来る』で信長の妻・帰蝶役にキャスティングされた沢尻エリカが麻薬取締法違反で逮捕され、代役で起用された川口春奈がそれ以降売れ続けていったことを思い出します。代役の好演が予想以上といった勢いは得てして味方に回るもの。災い転じて福と為すとは言いますが、今回の高視聴率にはこうした影響もあるのでしょう」

 大河ドラマに限らずテレビのリアルタイム視聴率は年々落ちているが、「豊臣兄弟!」は今後どうなるだろうか。

「今の水準を保つことができれば、平均12%台は『鎌倉殿の13人』(平均12・7%)以来となるわけですが、1年続くドラマで数字が落ちないというのは難しい。ただし、歴代の大河では平均視聴率が初回を超えたこともあるんです」

「豊臣兄弟!」は第65作の大河ドラマだが、歴代大河には尻上がりに視聴率を伸ばした作品が10作ある。

●2008年「篤姫」(主演:宮崎あおい)初回20・3%、平均24・5%
●2006年「功名が辻」(仲間由紀恵)初回19・8%、平均20・9%
●1996年「秀吉」(竹中直人)初回26・6%、平均30・5%
●1995年「八代将軍吉宗」(西田敏行)初回22・1%、平均26・4%
●1989年「春日局」(大原麗子)初回14・3%、平均32・4%
●1987年「独眼竜政宗」(渡辺謙)初回28・7%、平均39・7%
●1986年「いのち」(三田佳子)初回26・6%、平均29・3%
●1977年「花神」(中村梅之助)初回16・5%、平均19・0%
●1971年「春の坂道」(中村錦之助)初回19・1%、平均21・7%
●1969年「天と地と」(石坂浩二)初回23・5%、平均25・0%

 ただし、直近でも18年前の「篤姫」である。

「確かに最近は少ないですが、山内一豊の妻が主人公の『功名が辻』はじめ『秀吉』『春日局』『独眼竜政宗』、柳生宗矩の『春の坂道』、上杉謙信の『天と地と』と10作のうち半分は戦国モノ、もしくは安土桃山から江戸初期が舞台です。王道をゆく『豊臣兄弟!』にもその可能性がないとは言えません」

 まだ「豊臣兄弟!」は桶狭間の戦いを終えたばかりだ。今後は墨俣の一夜城、金ヶ崎の戦い、姉川の戦い、長篠の戦い、本能寺の変、中国大返し……見せ場はまだまだある。

デイリー新潮編集部

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