「犯罪経験に乏しい素人だからこそ歯止めがきかなかった」 ルフィ事件の実行犯が「90歳の被害女性をバールで殴る」異様かつ凄惨な暴力に手を染めた理由

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世論と本質のずれ

「闇サイト殺人事件」で胸を打つのが、キャッシュカードの暗証番号を教えろと執拗に脅迫され、想像に絶する恐怖を感じていたはずの被害者女性が最後まで番号を明かさなかったことだ。4桁の数字は伝えたものの、嘘の番号だった。

 藤原氏は「面識がない人間がインターネットで出会い、犯罪の計画を練ることが可能な時代になったと明らかにした点で、『闇サイト殺人事件』は日本の犯罪史に残る極めて重要な事件です」と言う。

「市井に生きる真面目で何の罪もない若い女性が凶悪な事件の被害者になってしまった不条理と、犯行内容があまりにも残虐だったことから、世論は『3人に死刑が下せるのか』という点に関心が集中してしまいました。ご遺族の極めて厳しい処罰感情を考えれば当然の流れだと私も思います。しかし、それだけではなく『闇サイトのような問題の多いインターネット空間にどうやって規制をかけるのか』、『どうやって再発を防止するのか』という点も日本全体で広範な議論が必要だったはずです」(同・藤原氏)

捜査機関の責任

 藤原氏は、その後に相次ぐことになる「インターネットを悪用した犯罪グループの跋扈」を阻止できなかった点において、捜査機関と大手メディアの責任は大きいと指摘する。

「再発防止を食い止められなかったのは紛れもない事実です。その視点に立って考えると、やはり警察庁を頂点とする捜査機関と、新聞やテレビの大手メディアには一定の責任があると思います。『極めて残虐な事件に、どうやって処罰を下すか』と加熱する世論を沈静化させることができなかった。その結果として、あまりにも痛ましい『闇サイト殺人事件』が残した貴重な教訓を国民へ充分に伝えることができなかった。結果、ルフィ事件を代表例とする数々の『闇バイト事件』が発生することになってしまいました」(同・藤原氏)

 第1回【90歳女性を惨殺した「ルフィ事件」と07年「闇サイト殺人」に通底する“鬼畜の共通点”…アウトロー専門家は「人間は集団になると、どんな残虐な行為でも可能になる」】では、“ルフィ事件”だけでなく、首都圏で闇バイトによる強盗が18件起きた事件でも実行役の犯人たちが異常な暴力を振るった。なぜ彼らは常識では考えられないほどの“鬼畜の所業”に及んだのか、詳細に報じている──。

デイリー新潮編集部

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