名門・日大三の“わいせつ動画”問題 他校の監督も衝撃…「スマホを使った不祥事は増えていく」「警察の動きがかなり早い」

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警察の動きが早かった理由

 一方、日大三の不祥事については、別の側面でも高校野球の関係者に衝撃を与えたという。それは学校や高野連の処分ではなく、警視庁による書類送検が先に報じられた点だ。これまでの報道によると、昨年10月に被害女子生徒の家族から警察に相談があったが、日大三から東京都高野連に連絡があったのは翌月だという。被害者側の相談が早かったとはいえ、高野連の発表前に警察が動く事例は非常に珍しい。

 過去にチーム内での不祥事を経験したある高校の指導者は、以下のように話す。

「昨年夏、広陵の部内暴力が世間を騒がせたことも大きいのではないでしょうか。あれだけの騒動になると、なかなか事態が収拾せず、学校と警察の対応が後手に回ったと非難を浴びることになります。日大三の問題は、(被害者が女子生徒で)野球部内にとどまらないこともありますが、警察が校内での不祥事に対応する際も、かなり動きが早い。最近は高校生や中学生のいじめ、暴力の動画がSNSで拡散されて、それがきっかけで問題が発覚することが増えています。このため、警察の対応が早くなっているのかもしれません。本来、不祥事があった場合、高野連が全て対応して処分を決めるのはおかしなことで、警察が先に動くことが本来あるべき対応になってきたと思います。抑止力も働くのではないでしょうか」

 昨夏の甲子園大会中に広陵の暴力問題で日本高野連が会見を開いた際には、年間で報告のある不祥事の件数は1000件以上とのコメントもあった。今回のように表に出にくい不祥事が明るみになっていくと対応はさらに困難になる。また、警察が介入するような事態が増えることは、教育の場として望ましくないのは確かだろう。

 昨年の広陵、そして今回の日大三の問題をきっかけに、高野連と加盟校が連携して不祥事を未然に防ぐような体制を構築していくことができるだろうか。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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