歴史的大惨敗と歴史的大勝利の差はどこに 高市官邸が「中道にそこまで脅威を感じていなかった」理由

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合併効果を生かせず

 第51回衆院選は12日間の超短期決戦を終えた。高市早苗首相(自民党総裁)は連立を組む日本維新の会との与党で過半数(233)の確保を勝敗ラインとし、立憲民主党と公明党のほとんどの衆院議員が合流して結成された中道改革連合(以下、中道)は比較第1党を目指したが、自民は単独で3分の2に到達し、自維でも352議席を獲得して全体の4分の3を超え、一方で中道は49議席と大きく明暗が分かれた。片や歴史的大勝利、片や歴史的大惨敗という結果である。

 中道結成直後には、ここまでの差がつくとは見られていなかったものの、高市官邸からは当初より「中道に対する脅威をさほど感じない」といった感触が聞こえていたがという。その背景には何があったのか。

 超短期の衆院選は自民の圧勝に終わった。選挙公示前に急遽結成された中道は合併効果を生かせず、一敗地にまみれる格好となった。

軍師の存在

「官邸側からは選挙戦に入る前から“中道についてそこまで脅威には感じていなかったが、予想以上に浸透できていない”とのメッセージは聞こえてきていました。安倍政権時、国政選挙は連戦連勝で、その際に“軍師”として尽力したのが今井尚哉氏(当時、首相の務秘担当の秘書官など、現・内閣官房参与)でした。今回の解散劇を演出したのも今井氏で、中道についても今井氏は“それほどでもない”と見ており、実際その通りになりましたね」

 と、政治部デスク。

 2017年9月、当時の安倍晋三首相は消費増税の使途変更について国民に信を問うとし、「国難突破」と名付けて解散を表明したが、東京都の小池百合子都知事は同日、希望の党を立ち上げ、自らの代表就任を発表した。

 最大野党の民進党(代表:前原誠司氏)は希望の党への合流方針を決定。野党再編の動きが進み、非自民勢力結集への期待が高まっていった。

敗者連合

「その時の小池氏の動きについて安倍氏は意表を突かれ、相当焦っていたことを記憶しています。軍師の今井氏も同様だったと思います。結果的に小池氏が自身に反対する勢力を“排除いたします”と宣言したことが失速を招きし、自公与党は選挙に大勝したわけですが、あれがなければ結果は変わっていたかもしれません」(同)

 解散が確定的になったタイミングで野党が「かたまり」になるという構図は今回も同様だが、脅威ではなかったというのはどうしてなのか。

「官邸が新党結成まで察知していたとの報道もありましたが、その真偽はともかくとして“中道は弱者連合だ”という見方でしたね。もともと立民も公明も方向性を見失っていた者同士であり、そういう政党がひとつになったところで組織力を生かし切れず相乗効果が表れてこないということです」(同)

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