橋本環奈「ヤンドク!」はなぜ“新鮮味”に欠けるのか 視聴率急落のワケと透けて見える低予算
古臭い脚本に古臭い演出
「ヤンドク!」で物議をかもしている手術シーンのアニメ代替は、血が苦手なTVer若者世代への配慮だとも、単なる経費節減ともとれるが、手術室に登場する医療機器は本格的なので許容範囲なのだろう。
「第4話では声の小さ過ぎる心臓血管外科医(森崎ウィン)が田上によって覚醒するシーンもあり、それなりの面白さは感じますが、全体的なドラマの制作センスは20年前で停滞しているように見えます。現場はNetflixのようなシリアスなドラマを作りたいのでしょうが、頭の固い社の幹部が首を縦に振らないのでは」(フジテレビ関係者)
ちなみに、ドラマの主人公である田上湖音波のモデルとされているのは、岐阜大学医学部脳神経外科の榎本由貴子臨床准教授。榎本医師の経歴を見ると、高校を1か月で退学しヤンキーの道へ。その後、親友の事故死をきっかけに医師を目指し、岐阜大医学部に合格した。
現在は脳神経外科医として脳動脈瘤、もやもや病、脳卒中の外科治療、血管内治療を専門に活躍中だ。田上が劇中で「たぁけ(たわけ)!」と岐阜弁で一括するのもこうした実話をもとにしているから。とはいえ、コンプライアンス順守が厳しい昨今の医療機関にあって、「ヤンドク!」のような病院は現実味が乏しい。
「そうであるならばなおさら『ごくせん』に寄せるのではなく、元ヤン医師の壮絶人生をじっくり描いてもよかったのでは。家庭の事情や素行不良で進学をあきらめかけている若年層や保護者に、静かに届くような温かいドラマです。フジは2024年7月期に放送された目黒蓮主演の月9『海のはじまり』を成功させていますから、無理に『ごくせん』仕様のドタバタ劇にする必要はまったくなかったと思いますね」(前出のフジテレビ関係者)
古臭い脚本に古臭い演出による類型的なキャラクター造形によって、20年前のドラマを見ている気持ちになってしまう「ヤンドク!」。今後、視聴率が上向くことはあるのか。
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