「24時間高血圧」で心血管リスクが約2倍に 昼間の数値が正常でも「夜間血圧」が急上昇する人の特徴とは

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疲労と衝撃で「破断」

 苅尾教授らがJAMP研究のデータを用いて解析したところ、夜間血圧が低下する正常なディッパーにおいても、モーニングサージが大きい群では脳卒中のリスクが顕著に高いことが示されている。

「統計的にみても、心筋梗塞や脳卒中の発症が最も多いのは早朝の時間帯です。体が目覚め、交感神経が一気に働きはじめる切り替えの瞬間に、血管に最大のストレスがかかるのです」(苅尾教授)

 夜間にしっかり血圧が下がるディッパーは一見、理想的ではあるが、その分、深い谷底から一気に急坂を駆け上がるような負荷が、血管にかかるというわけだ。

「血圧は平均値だけでは判断できません。ピーク値の高さも血管リスクを左右します。血圧は1日に10万回も揺らぎます。高いときに寒さや睡眠不足、脱水、あるいは怒りといった外的・内的ストレスが重なれば、親亀の上に子亀が乗り、その上に孫亀が乗るように、血圧のピーク値は一気に跳ね上がる。これによって血管障害が引き起こされていきます」(同)

 ガラスや金属、陶器などの材料が破壊に至る原因には、長時間にわたってじわじわと負荷がかかり続ける「疲労」や、ハンマーで叩くような一瞬の大きな力による「衝撃」などがある。材料が疲労すれば、表面に微細なクラック(亀裂)が入り、見えないままゆっくり破壊が進行していく。

 血管もまた「材料」といえる。平均血圧が高い状態が続けば、裏側から静かに蝕まれていく。そこにピーク血圧という“瞬間的な衝撃”が加われば、クラックを一気に押し広げて「破断」、すなわち脳卒中や心筋梗塞という最悪の結果を招くのだ。

 有料記事【「昼間の数値が正常でも安心できない」 専門家たちが教える「夜間高血圧」を防ぐ“3つの方法”】では、“仮面”を被った夜間高血圧を見破る方法や、最新の高血圧対処法などについて詳述している。

デイリー新潮編集部

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