高市首相が村上前総務相に“嫌がらせ”をした理由 「敬愛する安倍元首相を侮辱されたことを許せなかった」指摘も

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村上前総務相は前代未聞の“対抗手段”に

 高市フィーバーの恩恵に浴する自民候補が多い中、逆にその“排除の論理”の危機に瀕しているのが比例四国ブロックの村上誠一郎前総務相(73)だ。

 政治部記者が言う。

「村上氏は10増10減に伴い愛媛県内の選挙区が4から3に減ることを受けて、一昨年の選挙で旧愛媛2区から比例単独に回ったという経緯があります。その際、衆院選で2回続けて比例四国の1位にする旨の“取り決め”があったといいます。しかし村上氏は今回、小選挙区との重複立候補者9人よりも下の10位で比例名簿に登載されました」

 なぜ、高市首相は“取り決め”を破り、村上氏を比例名簿で冷遇したのか。首相は村上氏が22年に故・安倍元首相の国葬に反対する考えを述べた際、安倍元首相を“国賊”と表現したことを決して忘れてはいなかったようである。

「高市首相は敬愛する安倍元首相を侮辱した村上氏を許せなかったのでしょう。嫌がらせですよ。自民の四国ブロックの予測獲得議席数は3議席。が、小選挙区と重複立候補している候補者は、香川1区の平井卓也初代デジタル相(68)を含めて3名が落選危機にある。その3名が仮に選挙区で落選して比例復活してしまうと、村上氏に比例の議席は回ってきません」(同)

 自民党にはタカ派から“与党内野党”的なハト派までいて、“健全な大人の党”として政権を担ってきた。後者の代表格として歯に衣着せぬ物言いで安倍政権にも手厳しかった村上氏に対し、今回、高市首相が決定した処遇はあまりに大人げないという声も聞こえてくる。一方、情け容赦のない仕打ちを受けた村上氏も前代未聞の“対抗手段”に出た。

「村上氏は四国ブロックの候補者ですから、本来は公示直後から地元の愛媛を中心に小選挙区の応援に駆け付けるべきなのです。しかし、あろうことか愛媛2区の井原巧元衆院議員(62)の出陣式に姿を見せなかった。ボイコットですよ」(同)

 井原事務所に聞くと、

「村上先生には一応、出陣式のご案内は差し上げていました。前日に欠席のご連絡をいただきましたが、その理由までは分かりません。出陣式の際、村上先生がどこにおられたかも存じ上げない。ですが、日曜日から地元の今治で当方の応援をしてくださっています」

 村上氏は公示から5日もたって、ようやく地元入りしたことになる。さる愛媛県議はこう突き放す。

「正直なところ、“比例下位でよかった”という声も地元にはある。仲間を後ろから鉄砲で撃つような発言が多かったですから」

 安倍一強時代の苦言があだとなるのか。

 村上氏の当選回数13回を優に超える、戦後最多の20選目を目指しているのが中道の小沢一郎前衆院議員(83)だ。“高市旋風”に負けない選挙戦を岩手3区で展開している。

「小沢氏自身は応援のために全国を飛び回っている。地元入りは公示直前と選挙期間中の数日に限られます」(前出の記者)

相手陣営の公選法違反を告発

 この3区ではある騒動が持ち上がっている。小沢陣営が対抗馬である自民の藤原崇元衆院議員(42)側に公選法違反(事前運動)の疑いがあるとして、1月30日付で告発状を岩手県警に提出したのである。

 社会部記者の話。

「きっかけは、公示日前日の1月26日、岩手3区内の地元紙を中心に、藤原氏の顔が大きく掲載された政治活動用のチラシが新聞折り込みで配布されたことにあります。その内容は選挙期間中にしか配布できない選挙運動用のビラと酷似しており、選挙の事前運動にあたる可能性があるのです」

 相手陣営の公選法違反を告発するのは、小沢陣営の焦りの表れとも受け取れる。

 いまだに議席確保に闘志を燃やし続ける大物がいれば、去る大物もいる。神奈川2区では菅義偉元首相(77)が引退して、元秘書の新田章文氏(44)が地盤を受け継いだ。ご本人が言う。

「いろんな方と握手をさせてもらっていますが、“菅先生にはお世話になったから”“菅先生が推すなら”と。改めて存在の大きさを認識します。菅先生からは“自分のために立っているわけじゃない。誰のために立っているのか、勘違いするな”と言われています。屋内演説会は3回やる予定で、菅先生には全部の回に来ていただきます」

 菅元首相の地盤、看板、カバンを活用できる新田氏の選挙戦は盤石そのものだ。

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