「高市首相と子分は絶対に落とす」が学会員の合言葉に 「高市フィーバー」に対して専門家は「実績はないに等しい」

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【前後編の後編/前編からの続き】

 ひとたび街頭演説に立てば、数千人の聴衆を集める高市フィーバー。自民大勝ムードを生み出すその熱狂の裏側には、期待と高揚だけでなく、移ろいやすい“空気”も孕む。一方の新党も伸び悩んだまま。争点なき総選挙はいよいよ最終章へと突入する……。

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 前編では、「高市フィーバー」の理由や、その裏側で不人気ぶりが明らかになった石破茂前首相について報じた。

 衆院選で勝敗を左右するポイントが、創価学会票の行方だ。公明党と立憲民主党が新党を結成したことで、自民候補は1選挙区あたり1万~2万票ともいわれる学会票を失うことになる。

 もっとも、余裕綽々(しゃくしゃく)の自民候補もいる。例えば、小渕優子氏と、岸田政権で内閣官房副長官を務めた木原誠二氏について言えば、

「1999年に誕生した自公連立政権は、優子さんの父で当時の首相だった恵三氏が公明党との橋渡し役を担い実現したものでした。公明党の支持母体である創価学会にとって、恵三氏は悲願の与党入りをもたらした大恩人。その愛娘(まなむすめ)である優子さんとの関係は現在も良好なままです。今回も彼女の地元・群馬5区では学会票は彼女に流れ、当選を下支えするでしょう」(学会関係者)

 ハト派で知られる宏池会出身の木原氏も、自公連立時代は学会から組織的な支援を受けていたという。

「解散後、本人が公明党関係者に“俺は(思想的に)中道だ”と話すなどして、秋波を送っていたと聞いています。結果的に、彼の選挙区(東京20区)には中道候補は立っていません」(同)

 とはいえ、多くの選挙区で自民党候補から悲鳴が上がっているのは事実のようだ。学会女性部の現役幹部が言うには、

「これまで学会票頼みで支援組織づくりを怠ってきた自民党の1~2年生議員はもう必死ですよ。実際、選挙戦が始まってから“原田稔会長に取り次いでほしい”と頼んできた自民党候補がいます。もちろん断りましたけど、学会票が逃げた分、高市人気に皆が何としても縋(すが)り付こうとしている印象です」

 その一方で、急ごしらえの新党結成に加え、解散から投開票まで16日間しかない戦後最短の選挙となったことで、中道改革連合の現場でも混乱が見て取れる。

「F(フレンド)票も、今回は広がりに欠ける」

 東海地方の支部長を務める中道幹部が言う。

「選挙戦が始まっても、中道という新党名が浸透していません。超短期決戦のため、決起集会の会場を押さえるのも一苦労。選挙での実働部隊となる地方議員も中道を看板にして戦うのは初めてとあって、戸惑う場面が多い。中でも不安視されているのが、公明側が撤退した小選挙区選です」

 これまで選挙のたびに、学会員に対しては立民候補を「たたきつぶせ」と号令をかけてきた。その“仇敵”への投票には現場の抵抗感が強いそうで、

「確実に投票してもらえるように候補者一人ひとりの人柄やこれまでの取り組みなどを丁寧に説明し、心理的ハードルを下げることに腐心しています。まずは内部を固めることに精いっぱいで、とても他には手が回らない状態。学会員が友人や知人にお願いして公明支持候補に投票してもらうF(フレンド)票も、今回は広がりに欠けています」(同)

 別の学会員によると、

「問題は小選挙区だけにとどまりません。高齢の学会員に『中道』という言葉を覚えてもらうのに骨を折っています。座談会などを開いて模擬投票を行っているのですが、高齢会員の方々に“比例は『中道』ですよ”と教えても、『公明党』と書く人が必ず出てくる。『中道』と書けるまで繰り返すようにしていますが、投票当日まで不安は消えません」

次ページ:学会側が“恨み骨髄”の思いを抱く高市首相

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