“解散に激怒”のはずが平静を… 麻生太郎副総裁の腹の内 「国民民主を連立に取り込める、と考えているはず」

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 報道各社の衆院選情勢調査は軒並み自民党が優位と出た。執行部は各陣営の引き締めに躍起だが、自党の歴史的な大勝を示唆する報道に、ある最高幹部は苦虫をかみつぶした表情だという。

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「本心では面白くなかったはず」

「高市早苗首相が衆議院の解散を決める際、事前に相談がなかったと激怒した麻生太郎副総裁のことです」

 とは政治部デスク。その麻生氏は1月の解散直前に韓国を訪問した際、“解散権は首相の専権事項であって、脇役が何とかかんとか言う話じゃない”と激怒報道の火消しに動いたが、

「本心では面白くなかったはずですよ。平静を装ったのは、昨年の総裁選を機に主流派に返り咲いて得た党副総裁ポストを手放すのは得策でないと考えたからでしょう。首相があまりに党務に無関心なので“今後も党の実権を握れる”との計算もあるようです」(同)

危うい連立関係

 その麻生氏は、かねて玉木雄一郎代表が率いる国民民主党との連立に向けて動いてきた。

 自民党幹部が解説する。

「連合の芳野友子会長と会食を重ねるなど、野党の支持基盤である労組の切り崩しを図ってきたのです。国民民主党の取り込みのためですが、肝心の玉木の腰がどうにも定まらない」

 玉木氏は2026年度予算の年度内成立に向けて、与党に協力すると表明していただけに、成立が新年度にズレ込むことを容認する高市首相の解散表明には強い疑問を呈していた。

「それでも、衆院解散に関する感想を問われると“(高市政権との)信頼関係が崩れたとは言わないが、揺らぎが生じている”と、決別宣言までは踏み込みませんでした。麻生さんは“まだ連立に取り込めるチャンスは残っている”と考えているはずです」(同)

 昨年10月、高市氏が新首相に選出される2週間前というタイミングで、当時は党最高顧問を務めていた麻生氏が、国民民主党の榛葉賀津也幹事長と会談した。そこでは自民・公明に国民民主が加わる連立の枠組み拡大について協議が行われたほか、麻生氏は玉木氏に財務大臣のポストを用意する意向を示したと伝わる。

「その後、公明党が連立から離脱して日本維新の会が加わりました。が、いまだ閣僚を出さない“半身”の連立なので、党内には“維新はいつケツをまくって逃げ出すか分からない”とのシニカルな声がくすぶっています。それだけに、あくまで国民民主党の取り込みにこだわる麻生さんの考えは分からなくもないですが」(同)

衆院選の結果次第

 老獪(ろうかい)に見える麻生氏の策は、8日が投開票日の衆院選の結果次第で玉にも石にもなり得るという。

 再び政治部デスクの話。

「高市政権が衆院で過半数に満たないままなら、国民民主党の連立参加は政権の安定に資するでしょう。実現すれば、それを主導した麻生氏の大手柄。一方で各世論調査の結果通り、苦戦が伝わる国民民主党が議席数を伸ばせず、自民党が大勝して単独過半数を占める事態になれば、連立を拡大する必要性は乏しくなります。となると麻生氏の構想は画餅に帰すことになります」

 とはいえ、高市政権は参議院でも過半数まで4議席足りない。永田町に麻生氏の高笑いが響く可能性はなお残る。

週刊新潮 2026年2月12日号掲載

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