「FA移籍組」も危ない!苦しい立場に追い込まれた「ベテラン選手」の実名
1年で出ていかれては採算が合わない
甲斐と同じ昨年オフの移籍組でもう一人苦しい立場となっているのが、茂木栄五郎(ヤクルト)だ。楽天では4度のシーズン100安打以上を記録などショート、サードのレギュラーとして活躍していたが、次第に成績を落とし、出場機会を求めて昨年ヤクルトにFA移籍した。
開幕直後は、負傷した村上宗隆(現・ホワイトソックス)に代わってサードのレギュラーを任せられていた。徐々に成績を落とすと、7月には左膝を痛めて長期離脱となり、53試合の出場でシーズンを終えた。
手術を受けた左膝は既に回復しており、自主トレも順調と報じられたとはいえ、楽天時代から故障が多く、なかなか1年を通じて安定したプレーを見せることができない点が大きな課題。
ヤクルトは、昨年116安打を放った内山壮真が今年からは内野手登録となり、昨年のドラフト会議で松下歩叶(1位、法政大)と石井巧(6位、NTT東日本)という即戦力候補の内野手を獲得するなど、内野陣の争いが激しくなっている。茂木は、今年が2年契約の2年目となるため、昨年以上の結果が求められる。
前出の二人と事情が異なるが、FA権を行使しながら残留となった辰己涼介(楽天)も微妙な立場となっている。
辰己はこのオフにポスティングシステムを利用してのメジャー移籍を球団に訴えたが、認められずに国内FA権を行使した。しかし、他球団からの具体的なオファーはなかったと見られ、1月16日に残留を発表している。
他球団の編成担当は、辰己について以下のように評している。
「足と肩は抜群で打つ方もパンチ力があり、選手としての能力は問題ありません。グラウンド外での奇抜な行動や言動を気にする声がありますが、獲得すれば戦力としてプラスとなるでしょう。それでも他球団からオファーがなかったのは、翌年のオフにポスティングシステムでのメジャー移籍を認めてほしいという意向が強かったからではないでしょうか。辰己をFAで獲得すると人的補償が発生します。それなのに、1年で出ていかれては採算が合わないですよ。どんな条件で楽天に残留したかは明らかになっていませんが、他の選手でカバーできる目途が立てば、今年のオフにはポスティングシステムの利用を認めるかもしれませんね」
辰己がFA宣言をして去就が決まらないうちに、楽天は新外国人のマッカスカーと、現役ドラフトで佐藤直樹という2人の外野手を獲得した。さらに、若手の中島大輔も大きく成長しており、辰己のレギュラーの座が安泰とは言えない。
FAで移籍した場合は高額年俸の大型契約となるケースが多い一方で、球団やファンから求められるハードルは高くなる。このオフには又吉克樹(2021年オフに中日からソフトバンクにFA移籍)が自由契約となった。そんな中で、本記事で取り上げた選手たちは生き残れるのだろうか。
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