“泥酔してドア蹴破り”“妻に凄絶DV” 歌舞伎中村屋で災難相次ぐ 「鶴松は『国宝』を地で行くホープだった」

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

 歌舞伎界で最も古い芝居小屋「中村座」に由来する「中村屋」が、相次ぐ災難に見舞われている。

 ***

「国宝」を地で行く有望株

「1月18日、浅草で泥酔して飲食店の出入り口ドアを蹴破ったとして、中村鶴松(30)が建造物損壊容疑で現行犯逮捕されましたね」

 とはスポーツ紙デスク。鶴松は2月に歌舞伎座公演「猿若祭二月大歌舞伎」と、17代目勘三郎(故人)の俳名にちなんだ「中村舞鶴(まいづる)」の襲名と幹部昇進を控えていた。そんな矢先の狼藉で、二つの慶事は見送りとされた。

「鶴松はいわゆる世襲家系の生まれではなく“門弟”と呼ばれる一般家庭の出身です。子役時代に18代目中村勘三郎(故人)に資質を認められ、10歳で幹部候補生として英才教育を受ける部屋子になりました」

 歌舞伎界が舞台の大ヒット映画「国宝」は、鶴松と同じ一般家庭出身の俳優が、女形として人間国宝にまで上り詰める姿を描いている。

「地道に実力を培ってきた鶴松は、中村勘九郎(44)を中心とする中村屋一門の中でも次世代を担うホープ的な存在。演じるのも大役が多く、まさに映画を地で行く有望な若手なのですが」

 事件当時、鶴松は「新春浅草歌舞伎」に出演中だった。翌19日以降は休演となり、別の若手が代役を務めた。同日夜に釈放されたものの、いまだ謹慎が続いている。

 歌舞伎関係者が嘆息する。

「これで2月の舞鶴襲名は見送られ、襲名披露公演だった中村屋所縁の舞踊『雨乞狐』は通常公演とされました。代役には勘九郎と七之助(42)が立ちます」

「血のない役者ということだけで差別を……」

 3月の全国巡業も休むハメになった鶴松は、以前から幹部昇進を希望していた。

「歌舞伎界には“幹部”“名題(なだい)”“名題下”という、いわゆる身分制度があります。各劇場では演目のあらすじや配役、その月の舞台写真や出演者一覧などが掲載されている“筋書”が販売されています。いわばガイドブックですが、身分によって扱いも異なります。幹部の写真はひときわ大きく、名題はそれより控えめ。名題下ではさらに小さくなります」

 現在、鶴松の立場は名題。市川團十郎家(成田屋)、尾上菊五郎家(音羽屋)、そして松本幸四郎家(高麗屋)といった名門や、伝統的な屋号を持つ家に生まれた“御曹司”は、それだけで幹部として扱われる。無論、筋書における扱いも別格だ。

「歌舞伎界における前近代的な悪弊といえます。鶴松は“自分より人気や実力が劣っても、御曹司というだけで幹部になるのはおかしい”という強い対抗意識を持っていたとか」

 その鶴松は昨年1月、勘九郎に“幹部に昇進させて下さい”と直訴していたという。

「鶴松は事件の5日前に開催された、2月公演の会見の場でも“(歌舞伎界の)血のない役者ということだけで差別、区別されて悔しい思いをしてきた”と心情を吐露していた。その姿はあまりに印象的でしたよ」

次ページ:続く不運

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。