「同期・小園には“絶対に負けたくない”と」… 「ゾンビたばこ」で逮捕 広島・羽月隆太郎容疑者(25)の素顔 ネットの書き込みも気にする繊細な性格、新井監督の期待は大きかったが
新井監督から笑顔が消えた
2018年、神村学園からドラフト7位の下位指名で広島に入団した羽月は、泥にまみれてはい上がったたたき上げの選手だ。試合前の練習中にユニフォームを泥だらけにして取り組んでいる姿が印象的で、守備の名手として知られる菊池涼介に助言を求めるなど向上心旺盛だった。プロ7年目の昨年は74試合出場で打率.295、17盗塁をマーク。いずれも自己最高の数字で昨オフに800万円増の推定年俸3100万円でサインした。
底抜けに明るい性格でチームを盛り上げる役割を果たすなど、プレー以外の場面でも大切な存在だった。髪型をアフロやおかっぱ頭にした際は他球団の選手の間でも話題に。球団の垣根を超えて愛されたキャラクターだった。広島を取材するスポーツ紙記者は複雑な表情を浮かべる。
「一緒にプレーしていた選手たちはショックですが、新井監督は特に辛いと思います。羽月のことをかわいがっていましたから……。監督自身もドラフト6位で入団して球界を代表する強打者として活躍したので、同じ境遇から1軍に定着した羽月への期待は大きかったはず。春季キャンプ中に笑顔が消えたのもこの一件と無関係ではないでしょう」
すごく繊細な性格
順風満帆に見えるキャリアで、なぜ「エトミデート」に手を染めたのか。警察の捜査段階のため現時点で詳細は不明だが、前出のスポーツ紙記者はこう語る。
「太陽のように明るいイメージがある一方で、すごく繊細な性格でした。ミスをした試合後にこちらが話しかけられないほど落ち込んでうつむいて帰ることが何度もありました。周りにどう見られているかも気にしていましたね。こちらが思う以上に、本人は心身をすり減らしてストレスを抱えていたのかもしれない。ただ、それは他の選手にも言えることです。危険薬物を使う言い訳にはなりません」
プライベートでは見せない顔
この話を聞いて、昨シーズン中のあるシーンを思い出した。昨年6月6日の西武戦(マツダスタジアム)。同点の8回1死から四球で出塁した坂倉将吾に代わって羽月が代走で出場すると、相手投手の隙を突いて二盗、三盗に成功。2死後に捕逸で勝ち越しの本塁生還し、この得点が決勝点になった。殊勲の好走塁で試合後にお立ち台に上がった羽月は「最近、ギリギリセーフとかアウトとか、ネットで走塁下手とか盗塁下手とか書かれているので、今日は見返してやりました」と語気を強めた。二盗の場面について聞かれると「いや、もう思い切って、割り切っていこうと思って。どんだけネットに書かれても『オレはオレでいよう』と思いながらいきました」と思いを吐露した。
別の記者が振り返る。
「冗談めかした口調ではなく、本気で怒っているように見えました。探せば無数に出てくるネット上での評価をいちいち気にするほど、繊細な側面を持っていたということでしょう。でも、人格否定などネット上の誹謗中傷は許されませんが、逆にそれへの怒りがパワーを出す原動力になる選手もいる。反骨心が強い選手だなと改めて感じました。その性格が良い方向に向かえば良かったのですが……」
前出の広島OBは「プライベートでは僕たちに見せない顔があったのかもしれない。でも、それを知ったからと言ってアイツを嫌いになるわけではないです。まだ25歳と若いし、これからの人生がある。詳しいことが分からないのでなんともいえないけど、警察の取り調べに正直に話してほしいですね」と言葉を選びながら話す。
事件の全容解明が待たれる。
関連記事「広島カープ『羽月容疑者』逮捕の衝撃…元マトリ部長が明かす“ゾンビたばこ”の正体『効果がすぐ切れるのでまた使いたくなり、“依存”へと陥ってしまう』」では、羽月容疑者に使用が疑われている「ゾンビたばこ」の恐ろしさが詳述されている。その強力な依存性とは……。





