女性噺家として初の真打単独昇進「春風亭一花」 兄弟子は「落語本来の面白みを感じさせてくれる」と太鼓判

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一之輔以来の単独昇進

 落語界には落語芸術協会、立川流、上方落語協会など五つの団体があるが、100年以上の歴史を誇る落語協会で14年ぶりに単独で真打昇進を果たした女性噺家(はなしか)がいる。

「今年9月の下席から昇進する春風亭一花(いちはな・39)です。昨年10月に開催された『NHK新人落語大賞』で優勝した若手の実力派ですが、いかんせん、一般的な知名度が低くって」

 と演芸記者は肩をすくめる。落語協会では、複数人が同時に真打昇進を果たすケースが大半とされる。

「単独での昇進は、席亭(寄席のオーナー)をはじめとする関係者が認める実力者に限られます。直近の例が一花の兄弟子で、演芸番組『笑点』の大喜利メンバーを務め、“最もチケットが取りにくい落語家”と呼ばれる春風亭一之輔(48)の平成24年の21人抜きでの単独昇進です」

 令和6年に12人抜きで真打に抜てきされた、林家つる子(38)の例があるが、この時は三遊亭わん丈(43)との同時昇進だった。一花は女性噺家として初めて単独昇進を果たしたことになる。ちなみに香盤は5人抜きだ。

スーパー前座

 一花は東京・浅草橋の出身で、立教大学時代には演劇サークルで役者や裏方として活動していた。ある時、友人に誘われて入った寄席の雰囲気に魅せられて、落語家を目指したという。

「当の一花は、“大学卒業後に入門するつもりでした。ところがカバン職人だった父親に『落語家になるなら勘当だ』と反対されまして。それで、すぐには入門しませんでした”と当時を振り返っています」

 それでも落語に懸ける思いは募るばかり。卒業から3年後、リクルートスーツ姿で春風亭一朝(75)の元を訪れ、弟子入りを懇願したところ、一朝は一花の熱心さに弟子入りを許した。うれしさのあまり、一花はその場で号泣したという。

「入門後は“気配りのできる前座”として知られ、落語ファンには“スーパー前座”と親しまれました。平成30年に二つ目に昇進し、翌年には同じ落語家の金原亭馬好(41)と結婚。斯界では同業者同士の結婚は珍しく、現役の噺家としては柳家小八(49)と弁財亭和泉(49)夫婦に続いて、史上2組目になりました」

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