教室に乗り込んで教師を一喝! 「マギー司郎」のあまりにユニークな話芸を生んだ“母親”の強烈すぎる記憶

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プリンセス天功が2代目を襲名した理由

 奇術師の最後は、プライベートを赤裸々に語ってくれたマギー司郎とは対照的な、世界的イリュージョニストのプリンセス天功。そのプライベートはベールに包まれていると誰もが思っているはずだ。

 もっとも気になるのは、元々は「朝風まり」というアイドルだった女性が、なぜ2代目引田天功を継承したのか。そのことを訊きたい……。「その瞬間」というインタビューの出だしがこうだった。

「私にとって、青天の霹靂は2代目引田天功になったことです…2代目を引き継ぐことになって人生が180度、いや360度、グルグル1周するくらい変わった。それに一番驚いたのは私自身です」

 実は初代に直接、指名されたというわけではなかったようだ。2代目に選ばれた理由は、女の弟子が他にいなかったことや、男性よりも女性の方が興味を持ってもらえる――などが考慮されたのだという。

 初代の言葉を引き出せないかと思ったりもしたのだが、ご本人にしてみれば否も応もなく、2代目襲名で世界が一瞬にして変わってしまったわけで、それこそがイリュージョンだったということだろう。2代目に決まってからは、一から猛勉強の日々になった。

 イリュージョンで失敗したことはなく、すべて成功させていると感じている読者は多いかもしれないが、あにはからんや、命がけの挑戦もあった。水がたまったタンクから脱出する、ウォータータンクというイリュージョンでは救急車で5回運ばれたそうだ。

 ダイナマイトが爆発する中で脱出するイリュージョンでは、爆発で鼓膜が5回も破れたというから、まさに体を張った命懸けのパフォーマンスなのだ。

オランダで食べたウナギ

 一時、話題になった北朝鮮での公演の経緯なども話してくれたが、個人的にはどんな暮らしぶりなのかが気になっていたので、好きな食べ物についても訊いてみた。思いついたのはオランダで食べたウナギという。これも意表を突く話だった。ウナギは蒲焼きみたいなものや刺身もあったとか。

 さらに……。そのころの一番のご執心はホワイトライオン。雄で名前はKING。当時1歳で体重が150キロの大きなライオンである。危なくないのか。話を聞いているだけで、こちらがひるんでしまったほどだが、かわいがっている様子を聞いていたら、イリュージョンの世界に迷い込んでしまったのかと錯覚してしまったほど。

 KINGはおとなしく、1歳半くらいまでいろんなことを覚える。サッカーボールを蹴ったり、スケートボードに乗ったり……。

「スケボーはすごくうまい。今一番欲しいのはアメリカサイズの一番大きなスケートボードです」

 巨体のホワイトライオンがスイスイと楽しそうにスケボーに乗っている姿もそのままイリュージョン。つまり、プリンセス天功は存在そのものがまぎれもなくイリュージョンといっても過言ではない。

【前編は「『ユリ・ゲラーは天敵のようなものでした』 『Mr.マリック』“超魔術”誕生までの種明かし…同業の“大御所”とはマジックスクールの同窓生だった」マギー司郎とマジックスクールで同級生だったマジシャン】

峯田淳/コラムニスト

デイリー新潮編集部

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