「この10年で、構成作家が半数近く入れ替わり」…元スタッフが語る「ナイトスクープ問題」の深層 「番組への愛情ある局員も現場を去っていった」

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すぐに動けるスタッフが重宝

 バランス感覚の欠如に加え、問題の背景にここ数年の「スタッフ入れ替わり」もあるのではないかと指摘する。

「ローカル番組でスタッフが少ないがゆえに、ナイトスクープでは、通常アシスタントディレクターが行うようなことも、構成作家が行うことが少なくない。構成作家に、会議や分科会の最中、“今すぐ飛行機に乗って依頼者に会いに行ける? 現場見てこれる?” “今日中に専門家ブッキングできる?”などの指示が飛ぶ。それゆえ、いつでもすぐに動けるスタッフが重宝されるんです」

 こうなると、

「それなりにキャリアを積み、他の番組からも声がかかるようになった中堅やベテランの構成作家は、他の仕事にも時間を割かなければならないため対応しづらく、結果、“動きが悪い”とお払い箱になる。この約10年の間にも、作家陣の約半数近くにあたる8人以上の中堅・ベテランが番組を去りました。この中にはベストセラー作家をはじめ、長年演芸教養番組や情報報道番組に携わり、数々の修羅場をくぐりぬけてきた人も多く含まれていました。それら経験や知見、教養を身に付けたスタッフに代わり、業界へ入りたての若手作家やバラエティ番組しか経験のない作家らが、時間が取れるという理由で、スタッフの多くを占めるようになっていきました。構成作家は、本来ディレクターの壁打ち役で、時にブレーキ役にもなる。その機能が薄れ、人材の多様性も失われていったと思います」

特別な愛情が失われ…

 メンバーが入れ替わったのは、現場だけではない。

「番組を統括し、最終的なプレビューチェックや放送前の最終編集をする局のプロデューサーやチーフディレクターもここ数年で替わっています。ひと昔前までは、ナイトスクープで何年もAD経験を積み、ディレクターデビューした後もベテランスタッフにボロカスに言われながら『ナイトスクープスピリッツ』を叩きこまれて番組を守っていたスタッフがたくさん参加していました。しかし近年は、局の方針もあって、局員はあまり制作にどっぷりと浸からないようになった。今ではナイトスクープの制作経験のない子会社から出向してきたプロデューサーが、エンドロールに名を連ねることも。番組の最終責任を負う局側に、ナイトスクープに対する特別な愛情が失われ、依頼文の原文と改稿の乖離を見抜くスキルもなくなってきました。それが今回のトラブルの一因では」

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