東大医学部に相次ぐ“メス”…警視庁捜査2課が“絶好調”な理由…犬猿のライバル特捜部との関係にもたらされた“変化”とは?

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検察改革がもたらした変化

 このように、特捜部とは“犬猿の仲”ともいえるこの捜査2課が立て続けにいわゆる「いい事件」を挙げているのは、どんな背景があるのだろうか。警視庁関係者は「2010年の大阪地検特捜部の証拠改竄事件を受けて始まった検察改革の影響です」と話す。

 検察改革は事件後に法務大臣肝煎りで発足した「検察の在り方検討会議」が、2011年3月31日にまとめた「検察の再生に向けて」と題した提言書に始まる。その中で「特捜部については(中略)組織体制・編成、人員配置等を含め、その組織の在り方を見直すための検討を行うべき」としている。

 これを受けて改革着手を命じた最高検は2014年6月、「検察改革3年間の取組」とする文書をまとめ、「各特捜部においては、財政経済関係事件の捜査処理のための体制を充実・強化するなどの見直しを行った」として、東京地検特捜部について具体的に「従前の(1)特殊1班、(2)特殊2班、(3)財政経済班、(4)直告班の4班体制から、(1)財政班、(2)経済班、(3)特殊直告班(直告受理担当を含む。)の3班体制に変更した」と明らかにした。

 組織改編前は、国税局から刑事告発を受けた脱税事件と証券取引等監視委員会から刑事告発を受けた金融商品取引法違反事件を財政経済班で捜査していたが、改編後は財政班が国税局の事件、経済班が監視委に加えて、警視庁捜査2課の事件を担当するようシステム化されたのだ。2課の事件は歴史的に、特捜部ではなく刑事部で扱うケースも多かったが、窓口が特捜部に一本化されて「特捜案件」とはっきり位置づけられたわけだ。

 前出のヤメ検弁護士は「これはつまり、特捜部の幹部や特捜検事個人の思惑や裁量では、警視庁の事件をどうこうできない体制が構築されたということです。独自情報をつかめば特捜部もいい事件をやるでしょうし、予算面では自治体に組み込まれている警察が扱いにくい案件は検察がやればいい」と指摘した上で、こう語る。

「そもそも圧倒的に人員が多い警察は、人海戦術で情報を集められる点に強みがあり、検察は法律家としての専門知識が強みです。妙な縄張り意識はなくして“ウィンウィン”の捜査協力が行われた結果が、立て続けに逮捕者が出た東大の案件につながったというのが実態のようです」(肩書きは全て当時)

岡本純一(おかもと・じゅんいち)
ジャーナリスト。特捜検察の捜査解説や検察内部の暗闘劇など司法分野を中心に執筆。月刊誌「新潮45」(休刊中)では過去に「裏金太り『小沢一郎』が逮捕される日」や「なぜ『東京高検検事長』は小沢一郎を守ったか」などの特集記事を手掛けた。

デイリー新潮編集部

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