東大医学部に相次ぐ“メス”…警視庁捜査2課が“絶好調”な理由…犬猿のライバル特捜部との関係にもたらされた“変化”とは?
事務次官逮捕の“金字塔”
1996年12月、警視庁捜査2課は厚生省(現・厚生労働省)トップの岡光序治元事務次官(直前に辞任)を収賄容疑で逮捕している。社会福祉法人「彩福祉グループ」の運営する福祉施設に対する補助金交付で法人代表に便宜を図った見返りに、現金6000万円と車2台の提供を受けていたというもの。
6000万円は購入したばかりだった高級マンションの手付金や別の不動産を購入した際の銀行ローンの返済に充てられており、群馬県内のゴルフ会員権や料亭の接待費、マンションの室内改装費など、総額では1億2000万円以上の利益提供を受けていた。
「この事件は警察部内でも、いまだに“金字塔”扱いをされていて、中央省庁の事務次官の“首”をサンズイで取ったという事実は、2課で働く全国の刑事たちに奮起を促すものともなりました。当時、2課長として捜査を指揮した金高雅仁さんが警察庁長官に上り詰めた要因の一つとも言われています」
と、前出の警察庁関係者は旧聞を打ち明ける。
また1997年1月29日には、オレンジ共済組合を舞台にした詐欺事件に関与したとして、警視庁は参議院に対し、国会会期中の友部達夫参院議員への詐欺容疑で逮捕許諾請求を実施。許諾を得た上で逮捕している。この時の警視庁の捜査主体は捜査2課ではなく、同様に詐欺事件を扱う生活経済課だったが、検察ではなく警察が逮捕許諾請求を行うのは異例のことだった。会期中の国会議員逮捕は、およそ1年前の1995年12月に東京地検特捜部が背任などの容疑で逮捕した山口敏夫元労相以来だった。
このオレンジ共済事件の際、検察内部では「事務次官を逮捕したばかりの警視庁になぜ花を持たせるんだ」「国会議員まで警察に持っていかれていいのか」などという、見識が疑われるような意見も聞かれたとされる。実際、そうした検察の特権意識のようなものを感じさせる対応が露呈した事件もあった。
「1999年、特捜部と捜査2課に日本長期信用銀行の元頭取らが、旧証券取引法違反容疑で逮捕された際には、容疑者の取り調べ担当の割り振りをめぐり、直前まで特捜部と2課の合同捜査について調整がつかず、2課の幹部が東京地検に怒鳴り込んだと噂されたこともあった」(前出のヤメ検弁護士)
結局、特捜部が取り調べた首脳陣だけ起訴されるなど、捜査の現場は最後まで“ゴタゴタ”が続いた。
「元頭取が無罪となったのが、そのせいだとは言わないものの、双方にとってこの捜査過程が“黒歴史”であることは確かだろう」(同)
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