高市自民に「単独過半数」報道も、衆院解散は5割以上が「評価しない」のナゾ…高市首相の信任を問う選挙に「予算855億円」を注ぎ込む価値はあるか

国内 政治

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 読売新聞オンラインは1月28日、「自民が単独過半数うかがう、中道は伸び悩み・国民横ばい・参政大幅増…読売序盤情勢調査」との記事を配信、2月8日投開票の衆院選で自民党は支持を伸ばしており、233議席以上の「単独過半数」に達する可能性があると報じた。一方の維新に読売新聞は「比例選では苦戦」と指摘したが、自民と維新の連立与党では「絶対安定多数」の261議席を取れる勢いがあるとした。(全2回の第1回)

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 ところが、である。高市早苗首相が衆議院の解散に踏み切ったことに対しては今でも異論が殺到している。

 世論調査でも、その傾向は明らかだ。冒頭で紹介した読売新聞の世論調査は1月27日と28日に行われた。

 その前の世論調査、つまり読売が1月23日から25日に実施した調査を見ると、高市氏が「真冬の衆院解散」を決めたことについては「評価しない」が52%にのぼり、「評価する」の38%を上回った。

 この調査で高市内閣の支持率は69%と高かった。だからこそ余計に「評価しない」の多さが際だったというわけだ。

「解散に反対」の意見が過半数を超えたのは読売だけではない。毎日新聞も世論調査を1月24日と25日に実施し、「衆院選より予算成立を優先すべきだった」は53%。「衆院選のためにはやむを得ない」の26%を上回った。

 テレビ朝日系列のニュースネットワークANNは毎日新聞と同じ24日と25日に世論調査を実施し、衆院選の時期については「よくない」が57%となり、「よい」の27%を上回った。担当記者が言う。

「世論調査は同じ内容の質問でも、社によって尋ね方が異なります。そのため結果を単純に比較することは意味がないとされています。とはいえ読売、毎日、ANNの世論調査では3社とも『衆院解散に否定的な回答のほうが多い』という結果が出たわけです。これに注目が集まるのは当然でしょう。調査によって多少のばらつきはありますが、高市内閣の支持率が依然として高いことは事実です。となると少なからぬ国民が『高市さんのことは応援しているけど、解散総選挙には反対だ』と考えていることが分かります」

地方自治体の不満・不安

 政治アナリストの伊藤惇夫氏は3社の世論調査に「相当数の国民が『高市さんは予算案審議を放り出して衆議院を解散した』と反発していると考えられます」と分析する。

「特に豪雪地帯で『ふざけるな』と思っている有権者はかなりの数に上るでしょう。何しろ選挙ポスターの掲示板は雪に埋もれてしまいます。街頭演説が困難な地域も少なくないはずです。次に選挙日程が超短期決戦で、地方自治体に重い負担がのしかかっています。これに疑問を持つ職員がいても不思議ではありません。国の予算案が決まらないと、自治体の予算も決まりません。複数の自治体から『4月と5月の予算が決まらず、財政が干上がってしまう』と悲鳴が上がっています。本来なら自民党の市町村議員や首長は党の候補者を懸命に応援しますが、今度の選挙だけは応援に消極的でも不思議はありません」

 高市氏は衆議院を解散した理由として、1月19日の会見では「高市早苗が内閣総理大臣でよいのかどうか、今、主権者たる国民の皆様に決めていただく」ためと説明した。

「高市さんは高い支持率をキープしていますが、どうもこの説明は国民の心に響かなかったようです。高市さんは会見で『高市早苗』や『高市』を約20回使いました。ご自身の人気を前提に『私か、私じゃない政治家かを選ぶ総選挙です』と有権者に迫ったわけです。しかし有権者は『そんなことを求められても、小選挙区は奈良2区でしか「高市早苗」と書けないじゃないか』と戸惑ったはずです」(同・伊藤氏)

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