ニセモノ「昭和天皇銀貨」を使って逮捕…記念硬貨に「天皇」「皇族」の肖像が使われない“奥深い理由”
聖徳太子の肖像紙幣は7種類もある
天皇関連の記念コインというと、明治天皇の横顔が刻まれた金貨の人気が高い。だが、前出の宮内庁関係者によると、
「明治100年を記念した『明治天皇御肖像メダル』は、1967年に『常陽明治記念会』という財団法人が発行したもので、日本の通貨ではありません。記念硬貨に肖像が入ったものがないのは、一説には戦後は国民統合の象徴となった天皇の個人崇拝や偶像崇拝を連想させかねないとの深謀遠慮があったためと言われているようです」
明治天皇の肖像が入った記念金貨はほとんど市場には流通していないため、売買の際にはかなりの高値が付く。純金自体が地金相当でもレートが上昇していることもあるが、記念硬貨にはない肖像の希少価値も影響しているという。
では、同じお金でも紙幣はどうだろうか。
1968年12月に発生した、昭和の重大事件「3億円事件」を扱った報道番組や映画、ドラマなどでその映像が使われる機会も多い、当時の聖徳太子の1万円札。これは1958年から86年まで、30年近くにわたって発行されていたものだ。
日本史の教科書でもおなじみの聖徳太子は、古墳時代から飛鳥時代にかけての皇族で、用明天皇の息子とされる。史上初の女性天皇と言われる推古天皇の摂政として、天皇の代わりに政治を行い、603年に冠位十二階を制定し、翌604年には十七条憲法を作った。また外交にも力を入れ、607年に中国(隋)に遣隋使を派遣している(近現代の皇室で摂政には、病気療養中の大正天皇の代わりを務めた昭和天皇の例がある)。
聖徳太子がデザインされたお札には1万円札のほか、最初に発行された1930(昭和5)年の100円札(券)、44年と45年、46年の100円札という4種類の100円札があり、45年の3番目のものが発行期間の短さや肖像画の位置の違いなどから希少価値が高い。その後、1000円札、5000円札が発行されたことから、聖徳太子の紙幣は計7種類に及ぶ。
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