「“見せかけの大義”すら打ち出せず、あきれる」 高市首相の解散理由を専門家が徹底批判

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 正直言ってあまりパッとしなかった1月19日の高市早苗首相会見。彼女の話す内容を聞いて、解散理由に納得した国民がどれほどいるのか。20年前の小泉郵政解散の熱気とはほど遠い、「高市劇場」の内実を専門家が語る。

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「過去の解散総選挙を振り返っても、大義なんてあったためしはほとんどありません。例えば2014年時は『増税延期解散』、17年は『国難突破解散』が掲げられました。どちらも高市首相が信奉する安倍政権下でのことでしたが、彼女は今回、その見せかけの大義すら打ち出せませんでした」

 こう嘆息するのは政治アナリストの伊藤惇夫氏である。目玉もなければ、驚きもない。言い訳じみた詭弁ばかりが目立つ内容にあきれるほかなかったといい、

「後付けで『未来投資解散』などと標榜していますが、私が命名するなら、今回は『逃げ恥解散』が適当です。“逃げるは恥だが、勝てばいい”というのがその真意。実際、彼女は通常国会が始まると、野党の猛攻を受けることが予想されていたのです」

 止まらぬ物価高と円安。そして自らの舌禍で招いた中国によるレアアースの対日輸出規制。さらには過去、上限を超す企業献金を受けたという自らの政治とカネの問題も浮上していた。

「消費税ゼロ」の迷走

 伊藤氏が続ける。

「野党の追及をかわすため、“今なら勝てそうだ”との目算だけで解散に打って出たとの指摘をどうはね返すかと、会見には注目していました。しかし終わってみれば、疑念が確信に変わっただけでした」

 中でも悪手と映ったのが、「2年間限定の食料品の消費税ゼロ」に言及した部分だったという。

「もともと高市首相は25年5月時点では“食料品の消費税は0%にするべきだ”と発言していたのですが、総裁に就任すると慎重な姿勢に一転した。その理由として挙げたのが“事業者のレジシステムの改修などに一定の期間がかかる”というもの。ところが新党『中道改革連合』が“恒久的な食料品の消費税ゼロ”を基本政策に掲げると、慌てて自分もやると言い出した。ただし時限措置という中途半端さに加え、一貫性のなさも露呈して“政策通”との評価すら自ら毀損してしまいました」

 高市首相にとって立憲民主党と公明党による新党結成が最大の誤算だったのは間違いなく、

「彼女は新党について“国民不在、選挙目当ての政治”だと非難しましたが、“あなたに言えた義理なのか”との思いは拭えない。会見で“進退を懸ける”と大見得を切りながら、獲得目標議席を自民党単独でなく、現状維持に等しい“与党で過半数”としたのも、それだけ新党に脅威を感じていることの表れといえます」

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