“まとめ”を超えた一つの「作品」に… 本の要約サービス「フライヤー」社長が「要約にAIを使わない」と豪語する理由
“AI時代”に要約はどう生き残るか
こうして波乱の船出を果たした「フライヤー」。しかし、業界を取り巻く環境は順風満帆とはいかない。近年ではAIによって手軽に質の高い要約を作ることも可能だ。“AI時代”に要約はどう生き残るのか、大賀氏は自社のサービスに胸を張る。
「私たちの提供する要約はただの“まとめ”ではなく、読み物として十分成立するレベルにまで磨き上げます。例えば、ユヴァル・ノア・ハラリの世界的名著『サピエンス全史』(河出文庫)の要約はぜひ読んでほしいですね。要約を手がけたライターの熱量もあって、まとめを超えた一つの『作品』になっているんです。そこまで手をかけているからこそ、人の心を動かすような要約が作れる。単に消費されるコンテンツとは一線を画しているという自負があります」
フライヤーは1日1本、年間365本の要約を提供する。同様の理由で、目下、本数を増やすつもりはないという。
「今は月に30本くらいのペースで要約を出していますが、やはり一つひとつの『10分』を最高の体験にすることが目的なので、AIを使って本数を増やそうという考えには至っていません。そもそも、AIに本を学習させてはいけないという意識もありますしね」(同)
とはいえ、大賀氏も全面的にAIを否定しているわけではない。昨年、「フライヤー」は生成AIの研修事業を行っている会社をM&Aしている。
「要約そのものではなく、例えばユーザーの悩みや興味に合わせて最適な本をレコメンドする機能など、サービスの利便性を高める部分では積極的にAIを活用していきたいと考えています」
有料記事【いま「売れる本」のトレンドは? 本の要約サービス「フライヤー」の社長が語る“AI時代”でも生き残る本の特徴とは】では、「ファスト教養」批判に対する大賀CEOの考えや、「売れる本」と世間の価値観の変遷、そして、フライヤーの今後の事業展開などについて詳述している。




