円安と金利上昇で「日本」は兵糧攻め状態 秀吉の「干殺し」「飢え殺し」に学ぶべき教訓

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円安は兵糧攻めに遭うのと同じ

 戦国時代に置き換えれば、日本は食料の補給路を断たれたらひとたまりもない。2026年度予算案では、防衛費に前年度当初比で3.8%増の9兆353億円が計上されている。だが、いくら戦闘能力を高めても、ひとたび有事になり、食糧やエネルギーの輸入が困難になれば、日本は最初に滅んでしまう。

 では、どうしたら滅びずに済むか。異常なまでの円安を解消して円高基調に転換し、食料品や穀物、エネルギーなどの輸入価格を低下させ、食料品価格を引き下げたうえで、長期的に食糧やエネルギーの自給率を高めていく。それに尽きる。

 ところが残念ながら、まったく逆に向かっている。昨秋の自民党総裁選直前、円相場は1ドル146~147円で推移していた。ところが、10月4日に高市早苗氏が総裁に選出されると円は急落。最安時で159円まで円安が進んだ。対ユーロでも総裁選直前は171円前後だったが、その後、186円まで円は下落した。つまり、高市氏が自民党総裁および総理大臣になってから、円は8%も下がったことになる。

 それがどんな結果をもたらすか。日本はすでに述べたように、世界でも異例な水準で必要物資を輸入に頼っているので、今後もじわじわと物価が上昇する。食料品にかぎらず、全方位的に物価上昇率が数%におよんでも不思議ではない。

 高市総理は年頭の記者会見で「国民のみなさまに高市内閣の物価高対策、経済対策の効果を実感いただくということが大切」と発言した。1月19日の衆議院解散を表明した会見でも、あらためて「物価高対策を含む生活の安全保障については、順次必要な対策が進んでいる最中」と強調した。だが、現実には、今後も私たちがさらなる物価高に見舞われる状況を生み出しているにすぎない。

 責任ある積極財政や、有権者に聞こえのいい消費減税で、手取りを増やし、負担を軽減するから大丈夫だと、高市総理はいうのだろうか。しかし、総理が積極財政に言及すればするほど円は売られ、国債への信用性も低下して長期金利が上昇している。それはひとえに、国債残高が1,100兆円にもなる日本の財政が、積極財政や減税でさらに悪化するという懸念が、国際金融市場で高まっているからである。

 100歩譲って、高市政権の経済政策がまちがっていないとしよう。しかし、そうだとしても、市場からそっぽを向かれてしまえば、円安は止まらない。ほかの国ならいざ知らず、日本ほど輸入に頼っている国では、円安が続くかぎり物価は上昇する。じわじわと兵糧攻めに遭うようなものである。

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