「三冠王」も移籍先が決まらず…「現役続行希望」も行き先が決まらなかった名選手たち
昨オフ、戦力外になりながらも現役続行を目指していた前楽天の島内宏明が1月4日、前ロッテの澤村拓一が同8日、前広島の田中広輔が同17日と相次いで年明け後に現役引退を表明した。そして、過去にも移籍先が決まらず、年明け後に引退を発表した名選手たちが少なからず存在する。【久保田龍雄/ライター】
これが僕の野球人生
平成唯一の三冠王・松中信彦(ソフトバンク)もその一人である。
ダイエー時代の2004年に打率.358、44本塁打、120打点で三冠王に輝いた“KING”も、13年以降は出番が激減し、41歳になった15年も左肩痛の影響で、チームの2年連続日本一に立ち会うことができずに終わった。
同年限りでの引退が囁かれるなか、9月29日、松中は他球団で現役を続ける意向を示した。
「この何年間はボールが見えなくなりそうな時もありましたが、今年に限ればボールはしっかり見えています。体が元気だから続けられる世界ではないのはわかっていますが、正直体は元気だし気力もあります。もっと打ちたい、もっとこうしたらという自分がいる限りは、このまま引退するよりももっとボロボロになるまで野球を続けたほうが後悔しないのではないかと思い決断しました」という理由からだった。
その後、12球団合同トライアウトには参加せず、自主トレを続けながら、ひたすら朗報を待ったが、最終的に獲得のオファーを出したのは、ベースボール・チャレンジ・リーグの武蔵ヒートベアーズだけにとどまった。
「2月いっぱいまでと自分で決めていた」という松中は3月1日、「この終わり方が、探していたパズルの最後の1ピースだった。胸を張って後悔しないと言える。これが僕の野球人生」と最後まで自己流を貫き、19年間の現役生活にピリオドを打った。
[1/2ページ]


