福山雅治&堤真一、大泉洋&松田龍平、大沢たかお&玉木宏…男たちが錯綜する「冬のサスペンス映画」5選【厳冬の映画案内】

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雪山の攻防戦

〇「ミッドナイトイーグル」(2007年)

 原作者の高嶋哲夫は、日本原子力研究所に勤務していたという異色の経歴の持ち主だ。

 元戦場カメラマンの西崎優二(大沢たかお)が偶然撮影したのは、米軍のステルス型戦略爆撃機「ミッドナイト イーグル」だった。北アルプス・見岳沢で消息を絶った同機は、特殊爆弾を搭載していた。西崎は新聞記者の落合(玉木宏)と共に、落下地点の雪山へ向かうが、爆弾を奪おうとする某国の工作員たちに銃で攻撃される。2人は自衛隊員の佐伯(吉田栄作)と共に何とか墜落地点に到達するのだが……。

 北アルプスの攻防戦は最大の見せ場だ。雪に覆われたステルス戦闘機を砦に、工作員たちと交わす銃撃戦の臨場感には思わず身を乗り出してしまう。この撮影のためにスタッフ、キャスト共に、雪山での山岳訓練を積み重ねたという。

 また、内閣総理大臣(藤竜也)を中心とする安全保障会議の部屋から、西崎たちと交わす映像のやりとりが面白い。果たして自衛隊の特殊部隊は彼らを救出できるのかと緊迫感が高まる中、西崎は総理大臣に驚きの提案をする。

 某国を北朝鮮と読めば、現実と符号が一致する。公開当時に、北朝鮮の核問題を話し合う「6カ国協議」が開かれ一時合意したが、アメリカの金融制裁を理由に休会されている。その後の北朝鮮の核への道はご存じだろう。また、最近話題になっている「非核三原則」を想起させるテーマも織り込まれている。

 政治サスペンスは、細かい辻褄合わせをすると矛盾が出てくるものだが、映像化不可能と言われた原作の映像化に拍手を送りたい。

稲森浩介(いなもり・こうすけ)
映画解説者。出版社勤務時代は映画雑誌などを編集

デイリー新潮編集部

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