“習近平の隠し子”説までささやかれる「闇バイトの帝王」が逮捕 「共産党が気に入らない中国人を拉致していた」
10万人を奴隷のように……
1月7日、カンボジア内務省は電信詐欺の国際ネットワークを築いていた「プリンス・ホールディング・グループ(以下プリンスグループ)」の総帥・陳志(37)らの身柄を拘束、中国に移送したと発表した。
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同グループは現地で一大財閥として知られていたが、実態は旅行者を拉致・監禁し、「園区」と呼ばれる施設から詐欺電話をかけさせていた。奴隷のように働かせられていた“かけ子”は10万人にも上るという。昨年10月、米司法省が同グループを「世界最大規模の詐欺集団」として陳を起訴。前後して2兆円にも上る仮想通貨を差し押さえたことで実態が明るみに出た。
陳は福建省連江県の貧しい村の出身で、ゲーム会社などでの勤務を経て2010~11年ごろカンボジアに移住。異例のスピードで銀行や不動産会社を設立し、フン・セン前首相の顧問の肩書も持っていた。
「陳が特別扱いされたことから“習近平国家主席の隠し子ではないか”とのうわさまで出回っていました」
と、元産経新聞の中国総局記者でジャーナリストの福島香織氏。実際、習氏は福建省での勤務が長く、中断を挟みつつ1985年から2002年までを過ごしている。その習氏が現地の女性との間につくった子、それが陳だったのではないか、といううわさだ。
中国政府の汚れ仕事
もっともこれは“尾ひれ”が付いたような話ではある。今回の事件で指摘しておかなくてはならないのは、同グループが中国政府と連携して共産党が気に入らない中国人を拉致していた事実だ。
福島氏が続ける。
「具体的には、私の知人である中国人漫画家の辣椒(ラージャオ)氏(53)の例があります。氏は、習氏を揶揄する漫画を描いていたことで中国国家安全部から敵視されていました。すると、17年、プリンスグループの企画責任者から“仕事があるからプノンペンで面接を受けないか”と誘いを受けたのです」
結局、カンボジアに行くことはなかったが、一昨年5月に中国政府による拉致目的の勧誘だったことが分かる。オーストラリアのラジオでエリックと名乗る中国人が「自分は国家安全部のエージェントで反中的な中国人をカンボジアに連れ出し拘束、本国に送還していた」と告白。プリンスグループに所属し、辣椒氏がターゲットだったことも明かしたのである。
いわば中国政府の汚れ仕事を請け負っていた陳だが、気になるのは本国に移送された後の処遇だ。
「米国に実態を暴かれた以上、中国政府も陳を放置しておくわけにはいかなくなったはずです。中国へ連れ戻したのは、情報が漏れないようにふたをしたということ。本国では、おそらく裁判の内容は明らかにされないでしょう」(同)
中国の闇を背負わされ消されてゆくのだろうか。



