やす子の発言は本当に「暴言」か 世間が押し付ける「いい人キャラ」とネットニュースが煽る「炎上」の中身
たびたび話題に
自衛隊芸人のやす子の発言がネット上でたびたび話題になっている。テレビ番組で誰かを攻撃するようなことを言ったときに、それが問題発言だと騒がれたりすることが相次いでいる。【ラリー遠田/お笑い評論家】
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昨年12月に放送された「呼び出し先生タナカ」の中で、やす子がKEY TO LITの猪狩蒼弥に対して「だからデビューできないんだよ」と発言したところ、ネット上で反発を招いたことがあった。
また、1月12日放送の「欽ちゃん&香取慎吾の全日本仮装大賞」では、審査員の1人として出演した彼女が、不合格になった出場者に対して「とんでもなくつまらなかったです」と発言したことが問題視された。彼女の発言がこれだけネットニュースなどで取り上げられるのはなぜなのか。
最初に身も蓋もないことを言ってしまえば、これらはいずれも大騒ぎするようなことではない。ネットニュースの記事では「炎上」という表現が使われたりもしていたが、実際には炎上と呼べるほどのことは何も起こっていない。
猪狩に対する発言は、彼のファンの一部が過剰に感情的になって騒いでいるだけだし、「仮装大賞」の件はそもそも暴言と呼ぶほどのものではない。番組を実際に見ていれば、ほとんどの人がそう感じるはずだ。
発言が文字になったものだけを見ると多少は過激に見えるかもしれないが、別に大したことは言っていない。そもそも本当にまずい発言なら放送されずにスタッフの判断でカットされているはずだ。明らかに冗談だとわかる程度の他愛ない発言だったからこそ、無事にオンエアされているのである。
では、なぜ最近になって、彼女の発言が何かと取り上げられているのか。それは、やす子が世間から「いい人キャラ」だと思われていて、それを押し付けられているせいで、ちょっとした暴言でも過剰に反応されてしまっているからだろう。
恐らく、やす子自身が「私はいい人です」などと名乗ったりしたことはない。でも、見る側はタレントに一定のキャラをつけたがる。垢抜けない素朴さがあって、いつも明るくニコニコしている彼女を見ていると、いい人だと感じる人が多いのは理解できる。実際にそれが人気の源泉にもなっている。
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