タイヤの重量は一般車両の5倍…“日本の物流”を支える「トラック整備士」が苦労するのは「体力の消耗」でも「専門知識」でもなく“ドライバーによる改造”
「泥除け」のキラキラ
とりわけ世間から評判が悪いのは、「泥除け」のキラキラだ。
トラックのタイヤの後ろには、ヒラヒラしたエプロンのようなものが付いていることがある。通称「泥除け」。英語で「マッドガード」とも呼ばれる。これは、タイヤがハネた泥や石が、クルマの後部や後続車に飛び散るのを防ぐために付けられたパーツだ。
一般的にはゴム製が多いのだが、なかにはその一部(末端)、または全部がステンレスなどの金属でできたものもある。
もともとトラックのボディや部品は、この泥除けに限らずよく金属が使用されるが、それには「サビにくい」、「食品を運ぶうえで衛生管理しやすい」「掃除がしやすい」など、多くの理由がある。
加えてこの泥除けにおいては、先端に金属をつけることで、それが重りとなり、ゴムが風で捲れることを防いでいる。
しかし、走行時に風や振動でヒラヒラと不規則に動くため、他の車体やパーツの金属以上に、周りのドライバーから「目つぶしだ」「後続車両に対する嫌がらせだ」と反感を買いやすいのだ。
こうした声に対し、トラックドライバーからは「車間距離を取れば眩しくない」「これであおり運転を防げる」という主張がある。
ただ、筆者自身、前を走る金属付きの泥除けを装着しているトラックとかなりの車間を置いて運転していても、泥除けが動くたびに眩しい瞬間があると感じるのも、また事実である。
自動車検査員の経験もあるベテラン整備士はこう話す。
「タイヤの泥除けは、本来その上部にある部品『フェンダー』の役割です。フェンダー自体はないと車検に通りませんが、いわゆる『泥除け』と呼ばれるこのヒラヒラは、なくても車検に通らないということはありませんし、逆にステンレス製の泥除けがダメだという保安基準もありません」
つまり、眩しい原因になっているステンレス付きの泥除けは、不正ではないということだ。もっとも、このフェンダーも車好きなトラックドライバーにとってはカスタマイズの対象で、トラックの部品専門店には反射性の高い鏡面のフェンダーなども売られている。
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