プロレスラー「ウルフアロン」が見せた無限の輝き…“五輪だけがゴールではない”ことを示した“真の功績”とは
柔道とプロレスの橋渡し役に
「シンの反則攻撃に愚直に耐え、反撃する輪島さん。それに比べてウルフアロンは、EVILのラフな攻撃、陣営の乱入に対するさばきが見事でした。あれが最初から出来るのはプロレスがわかっているからでしょう」
デビュー戦でありながら、プロレスラーとしての稚拙さを感じさせないどころか、見事なまでに“闘うベビーフェイス”を演じ切った。
フィニッシュに辿り着くまで、濃密な洗礼の数々をウルフアロンは見事に受け切り、撥ね退けた。EVILにはパイプ椅子で激しく横殴りにされた。白い粉をかけられ幻惑もされた。リングに持ち込まれた長い机に寝かされ、170キロのドン・ファレがトップ・ロープからのボディプレスを浴びせ、その衝撃でウルフの背中の事務机がへし折れた。それでウルフアロンの背骨が悲鳴をあげてもおかしくない。だが、怯まなかった。
「柔道出身のレスラーは、決め技に入るスピードが速い。ウルフアロンもさすがに速かった。しかも、最後にあの流れから逆三角締めに入った、あの展開が新鮮でした。プロレスファンも感動したに違いありません」
12分を過ぎたところで、一本背負いでEVILをマットに倒したウルフアロンはそのまま腕十字固めに入った。が、これをEVILに跳ね返されるとすぐに逆三角締めに攻め手を変えた。すると、EVILは失神、レフリーストップが宣告された。
甘井さんはこうも言った。
「ウルフアロンは、世界のスポーツの流れを変える可能性もあると思います。柔道からプロレスに転向する選手が増えるかもしれない。国内においては、柔道界とプロレス界の交流が進む、その橋渡し役にもなりそうです」
デビュー戦で勝利した後、現時点で5連勝を飾っている。2月11日には大阪大会(大阪府立体育会館)でNEVER無差別級王座戦、成田蓮の挑戦を受ける予定だ。リング上、そしてリングの外でどんな発展を遂げるか、まだ見ぬ無限の展開に心が躍る。




