タレント活動も好調のDJ KOO、まさかのバラエティ企画で脳動脈瘤を発見!「救ってもらった命」どう生かすか語る

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BEYOOOOONDSと三山ひろし、コラボ実現の経緯は

 そうした状況を経て25年10月には、アイドルグループBEYOOOOONDSとのコラボレーション・シングル「最KOO DE DANCE」をリリースし、オリコン週間ランキング2位と、DJ KOOがアーティスト名に表記された楽曲としては過去最高位をマーク。

「EZ DO DANCE」をはじめ、これまでのTRFのヒット曲のフレーズを散りばめたアゲアゲな楽曲で、ラップやボーカルを含め、さまざまなパターンのメロディーが矢継ぎ早に変わっていくので、ともすれば歌の内容が散漫に聞こえかねない難曲だ。しかし、実際に聴いてみると、DJ KOOとBEYOOOOONDSの一体感が見事で、歌の上手さやコラボレーションの相性のよさが伝わってくる。本作は、どういった経緯で制作されたのだろうか。

「24年に彼女たちが武道館でライブをやった時、僕もVTRで出演しつつ、会場で観させていただいたんですよ。そうしたら、ダンスミュージックに特化した内容の上に、彼女たちのポジティブなパワーが炸裂していたので、これは自分の45周年記念の第1弾にして、みんなに元気になってもらおうと思って、オファーをしました。

 彼女たちはディスコのほかにも、ロックやヒップホップなどいろんな音楽ジャンルの魅力が備わっているので、パートごとにいろんな表情を見せてくれる。しかも、楽曲を手がけた(作曲・編曲を担当し、作詞をDJ KOOと共作した)星部ショウさんが無類のTKサウンド好きの方で、90年代の小室哲哉祭りのような楽曲を作ってくださって、まさに“最KOO”でした!! 今回の高セールスから、今の時代は、手放しですごく元気になれるものを世間が欲しているのだと学びましたね」

 続くコラボレーション・シングル第2弾としては、NHK紅白歌合戦内『けん玉ギネス世界記録のチャレンジ企画』での歌唱者である三山ひろしのシングル「花とサムライ」侍盤のカップリング曲「KENDAMA DO DANCE!」がリリースされた。

「バラエティ番組に出はじめたころ、『avex ミュージックけん玉』という、光って音が出るけん玉をプロデュースさせていただいたんです。TRFの楽曲や僕の声などのDJサウンドが流れるのですが、それを三山さんが使ってくださったことから交流が始まり、『紅白歌合戦』の三山さんのコーナーにも出ることになったんです(16年~)。毎回、有段者でも落としてしまうことがあるほど、独特な緊張感があるので、チーム一丸となって頑張っています!

 その後、けん玉を使った歌を一緒にやりましょうという構想を練っていたんです。三山さんには、『紅白』でもその想いの強さは実証されているのだからと、僕から作詞と作曲を強く勧めてみたんですよ。いろんな楽器も演奏なさっているし、何よりけん玉が大好きですからね。そうしたら、とても素敵な演歌を書いてくれて、そこに僕のMCが入るという、今まで誰も聴いたことがないような“ニューエンカ”が完成しました。王道の演歌としても成り立っているし、若い世代の方にも受け入れてもらえるような、みんなが楽しく笑顔になれる歌なんですよ」

「バラエティに救われた命。これからも恩返ししていかなくちゃ」

 この45周年記念コラボレーションはまだまだ続くという。バラエティを発端として活動を広げてきたDJ KOOだが、この眩しいくらいの明るさを保つモチベーションはどこからくるのだろうか。

「DJとして今でも現場でやり続けていられること、そして、やっぱり家族が応援し続けてくれていることですね。僕は17年に脳動脈瘤の手術を受けて、そこから復帰も難しいのでは、と言われていたんです。とあるバラエティ番組に出て、それまで一度も受けてこなかった検査をしたら脳動脈瘤が見つかって、このままでは命の保証がないと宣告されました」

 なんと! 家族の勧めでバラエティ番組の世界に進んだからこそ、病気が見つかったとは……!

「その通りです。バラエティで救っていただいた命なので、これからも周りや家族に恩返していかなくちゃ、という想いで元気なんです!」

 実際には、レコーディングに深く携わっているにもかかわらず決して出しゃばらず、「ダンス&ボーカル・グループにDJは必要なのか?」と言われた時にも他のメンバーをリスペクトし、小室哲哉の言動を信じて、J-POP界の頂点にたどり着いた90年代。そして、バラエティへの進出をネガティブに捉えられつつも、家族の言葉を信じて、結果として本業の音楽DJの仕事を増やし、自らの命が救われることになった近年。

 彼が終始笑顔で語ってくれた数々のエピソードは、誰かが新たな道を切り拓く時に外野が発する無責任な言葉よりも、大切な人のリアルな言葉を信じて進むべきだと、そっと教えてくれている。

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 インタビュー第1弾では小室哲哉との出会い、第2弾では“絶頂期”の心境などについても語ってくれた。

DJ KOO (ディージェイ・コー)
1961年8月8日生まれ、東京都出身。新宿のディスコでのDJ、リミックス・ユニット「The JG's」での活動を経て、92年よりダンス&ボーカル・ユニットのtrf (現在:TRF)のDJを担当し、93年シングル「GOING 2 DANCE / OPEN YOUR MIND」、アルバム『trf 〜THIS IS THE TRUTH〜』でメジャー・デビュー。2nd「EZ DO DANCE」はオリコン最高15位ながら約80万枚のロングセラーに。94年より5作連続のミリオンヒット、95年末には日本レコード大賞も受賞する。10年代からは、バラエティタレントとしても活躍すると同時に、日本の伝統文化でもある"お祭り“”盆踊り”を広めるために国内外で精力的に活動中。25年10月にはアイドルユニットBEYOOOOONDSとのコラボレーション・シングル「最KOO DE DANCE」をリリースし、オリコンCDシングル最高2位を獲得。

臼井孝(うすい・たかし)
人と音楽をつなげたい音楽マーケッター。1968年、京都市生まれ。京都大学大学院理学研究科卒業。総合化学会社、音楽系の広告代理店を経て、'05年に『T2U音楽研究所』を設立し独立。以来、音楽市場やヒットチャートの分析執筆や、プレイリスト「おとラボ」など配信サイトでの選曲、CDの企画や解説を手がける。著書に『記録と記憶で読み解くJ-POPヒット列伝』(いそっぷ社)、ラジオ番組『渋谷いきいき倶楽部』(渋谷のラジオ)に出演中。データに愛と情熱を注いで音楽を届けるのがライフワーク。

デイリー新潮編集部

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