TRFリーダーのDJ KOOが“TRF全盛期”を懐古 小室哲哉に心酔し、弟子さながらに毎日押しかけメンバー入り
小室哲哉と出会い、考え方も生活もガラリと変わった
Spotify再生回数ランキング5位から7位には、「CRAZY GONNA CRAZY」「masquerade」「Overnight Sensation~時代はあなたに委ねてる~」と、95年前半に3か月連続でリリースされたシングルが並んだ。上位7曲はいずれも、93年6月から95年3月のわずか2年弱の間に発売されたもので、“CDメガヒット時代に”サブスクの人気楽曲が集中していることがわかる。この時期、DJ KOOはどういうスケジュールで活動していたのだろうか。
「全国ツアーと番組出演や雑誌取材などのプロモーション、それ以外は毎日レコーディングをしていました。それ以前から、さまざまな形で音楽に携わっていたけれど、小室さんと出会ってからは大好きな音楽の世界で仕事ができて、無我夢中でした。当時は30代前半だったので、睡眠時間が少なくても疲労感なんてなかったですね。華やかな世界を小室さんに見せてもらっていた時期だと思います!」
trfは92年、“TK RAVE FACTORY”の頭文字をとったダンサーやボーカルが集まったパフォーマンス・グループとして小室哲哉プロデュースのもと結成された。既に新宿の有名ディスコのDJとして、またdj hondaらとのリミックス・ユニット『The JG's』として活躍していたDJ KOOが、この当時としては異彩を放っていたグループに加入することに戸惑いはなかったのだろうか。
「もし、いきなりtrfに入れと言われたら迷ったかもしれませんが、僕はその前に小室さんとお会いした時から、“小室さんはアーティストとして尊敬できる。この方についていきたい!”という想いが強かったので、自然とtrfの活動に入っていったんです」
それまでのDJ KOOは、「“一般の人達がわかるような音楽はホンモノの音楽じゃない、アンダーグラウンドだからこそがカッコいいんだ”と斜に構えて音楽を作っていた」とのこと。そんな頃、小室哲哉がRAVEという新しいカルチャーを日本に持ち込むイベントを企画するにあたり、後輩DJのはからいで、小室とつないでもらえることに。
「小室さんに挨拶に行ったその日から衝撃が走り、それ以降、弟子さながらに、小室さんのもとに毎日通うというか、押しかけるようになったんです(笑)。だから、小室さんにはDJとして選ばれたのではなく、僕の一方的な想いから一緒に音楽をやることになったというのが近いかな。小室さんの最初の構想にも、DJの参加はなかったんですよね」
そうやって話すDJ KOOの言葉からは、小室への敬意や感謝がひしひしと伝わってくる。
カラオケに自分たちの楽曲が入ったことでヒットを実感
「小室さんとお会いして、誰もが喜びを感じる、誰もがかっこいいと思える音楽を作れることこそが素晴らしいんだと気づかされたんです。そして、その音楽だけではなく、歌詞にもちゃんと世界観やコンセプチュアルな定義があったり、ファッション性があったり、そういったもの全部ひっくるめてプロデュースをしていくという小室さんの存在の大きさ、音楽の幅の広さに心打たれました。
それで、毎日小室さんと一緒にいるなかで、trfの1stアルバム(93年2月『trf 〜THIS IS THE TRUTH〜』)のレコーディングの途中から『ラップが出来るなら、曲の途中で入れてみて』と言っていただき、どんどん参加していくようになったんですよ」
CDデビューを果たした同年末の12月には「寒い夜だから・・・」がリリースされ、同作は翌94年1月に初のオリコンシングルTOP10入りを果たした。さらに、2月にリリースされた3rdアルバム『WORLD GROOVE』は、初のオリコンアルバム1位を獲得。その初登場週には、前年7月にリリースされた2ndアルバム『EZ DO DANCE』も10位に再浮上するなど、わずか半年の間に一気にブレイクしていったのだ。
DJ KOO本人はどのタイミングで、ヒットを実感したのだろうか。
「2ndシングルの『EZ DO DANCE』(93年6月)は『シーブリーズ』のCMソングに使っていただいたのですが、ある時、うちの奥さんが『trfの曲がカラオケに入っているよ!』と連絡をくれたんです。今まで、自分のやっていた音楽がカラオケに入るなんてことは一度もなかったので、ここから何かが変わるぞ、という予感がしましたね」
現在は、アイドル、スポーツ、盆踊りなど多岐にわたるイベントで見かけるDJ KOOだが、そんな彼が35年ほど前、“ヒット曲はホンモノの音楽じゃない”と考えていたというのも意外だし、そんな固執した考えを氷解させてしまうほどの小室哲哉の広い視野にも驚く。改めて出会いの貴重さや、それまでに自分を磨くことの大切さを感じさせる。
インタビュー第2弾では、アルバム収録曲や、小室哲哉プロデュースから離れてからの楽曲についても尋ねてみた。



