「ユリ・ゲラーは天敵のようなものでした」 「Mr.マリック」“超魔術”誕生までの種明かし…同業の“大御所”とはマジックスクールの同窓生だった

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

 夕刊紙・日刊ゲンダイで数多くのインタビュー記事を執筆・担当し、現在も同紙で記事を手がけているコラムニストの峯田淳さんが俳優、歌手、タレント、芸人ら、第一線で活躍する有名人たちの“心の支え”になっている言葉、運命を変えた人との出会いを振り返る「人生を変えた『あの人』のひと言」。第52回は見る人をアッと驚かせる奇術師たちの意外なエピソードです。今回はまず、Mr.マリックさんとマギー司郎さんの前編です。

夜景との闘い

 手品師、マジシャン、イリュージョニストと、呼び方の違いはあるが、いうなれば奇術の世界。レジェンドといえるのは手品師ならマギー司郎、マジシャンならMr.マリック、イリュージョニストならプリンセス天功だろう。

 この2年の間に、偉大なる3巨頭にインタビューすることができた。とはいえ、お目にかかるまではドキドキもの。あの世界はタレント、歌手、俳優をインタビューするのとは異なる緊張感がある。テーマは奇術師だけに「その瞬間」でお願いした。

 Mr.マリックは、目の前でスプーンが宙に浮くマジックを披露してくれた。撮影の時は横から目を凝らして見ることができたが、どんなタネなのかさっぱりわからなかった。だが、間違いなくハンド・パワーでスプーンが浮いていた。

 Mr.マリックの原点は、客の目の前でその場で借りたものなどを使って披露するクロースアップ・マジックといわれるもの。始まりはデパートの手品コーナーでの実演販売だったという。そこでテクニックを身につけ、次のステップを目指した。

 マジックショーの会場となったのは、品川のホテルパシフィック東京(当時)。ノーギャラでいいから、生バンドが入っているラウンジでやらせてもらえないかとお願いしたら、OKに。2回目のショー終了後、ステージに出て行ったら、客の多くがステージに背を向けて窓の向こうの夜景を眺めていたという。

 仕方がなく、興味がある人のために「テーブルまで出向くので」とスタッフから客に声を掛けてもらうことにした。すぐに希望者が現れた。目の前でマジックをやってみせたら「オー、すごい」と声が上がる。すると窓の外を見ていた人たちがざわつき、我も我もとなった。

 消えた指輪がキーホルダーから出てくる、客が持っていたキーを曲げる、破れたお札を元に戻す――といったマジックを見た客から、歓声が上がった。これはイケるという感触を掴んだ瞬間だった。

「夜景と闘ってよかった」とMr.マリック。本当に何が幸いするかわからない。

 そして、一部始終を見ていたホテルのスタッフが「全国で展開しているホテルオークラに売り込んだらどうか」とアドバイスしてくれた。そこからホテルでの営業が始まる。

 やがて、評判を聞きつけたのが「11PM」(日本テレビ)のプロデューサーだった。浅草ビューホテルまで見に来て、すぐにテレビ出演が決まった。

次ページ:緊張と緩和

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。