中山美穂、広末涼子、二階堂ふみ、吉永小百合…“白い世界”で展開する人間ドラマ、「雪景色が最高に映える映画」5選【真冬の映画案内】

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高倉と雪と列車が主役

〇「鉄道員(ぽっぽや)」(1999年)

 浅田次郎の直木賞受賞作を映画化。高倉健と降旗康男監督コンビの17作目となる。

 北海道の幌舞駅の駅長佐藤乙松(高倉健)は、過去に幼子・雪子と妻・静枝(大竹しのぶ)を亡くしていた。定年が迫っていたある日、幌舞線の廃線を告げられ、かつての同僚(小林稔侍)に再就職を勧められるが断った。その夜、1人の少女が駅舎に現れた。乙松は少女に雪子の面影を重ねる。

 高倉と雪と列車が主役の映画だ。プラットフォームと入線する列車に降り積もる雪。それを見つめながら長く鉄道員を務めてきた男。その姿は孤高と切なさを感じさせる。

高倉健が認めていた広末涼子

 広末涼子は終盤の30分にセーラー服で登場するが、まるで雪から現れた妖精のようだ。高倉の鉄道員の制帽を被って敬礼する姿は、愛おしく胸に迫る。

 広末のシーンは東京でのセット撮影だけだったが、作品の全体像をつかみたくて北海道まで赴いたという。その時、高倉と交流が生まれた。

 現在の広末は芸能活動を休止している。本作撮影時の高倉の言葉を添えて、再び立ち直りその姿を観られることを願う。

「やっぱり素晴らしい素質があると思いますね」「彼女が持っている無垢なものが素直に出ればいいんだから」「いろんな話をしました。それは、非常に何か残りましたね。こういうのは、『野性の証明』(1978年)の時の薬師丸ひろ子君以来です」(「キネマ旬報」1999年6月下旬号)。

上白石姉妹の初共演

〇「羊と鋼の森」(2018年)

 本屋大賞を受賞した宮下奈都の同名小説が原作で、ピアノの音と雪が調和する静かで美しい作品だ。

 北海道の高校生・外村直樹(山﨑賢人)は、ピアノの調律師・板鳥(三浦友和)の調律した音に魅せられる。やがて板鳥の楽器店で調律師として働き始めた。ある日、ピアニストの高校生姉妹、和音(上白石萌音)と由仁(上白石萌歌)に出会う。

 撮影は北海道の旭川で行われ、雪に覆われた街が描かれている。直樹が降り立つ小さな近文駅は、雪ですっぽりと埋もれた姿を見せ、石狩川にかかる旭川のシンボル旭橋も、積雪の姿が何度も登場する。

姉妹で奏でた連弾

 姉の和音は端正で艶やかな音を奏で、最初に弾く曲はラヴェルの「水の戯れ」。由仁は明るく開放的な弾き手という役で、ショパンの「蝶々」を披露する。連弾を楽しむ仲の良い姉妹だが、演奏者同士の微妙な心の揺らぎを巧みに演じている。

 上白石萌音・萌歌姉妹は、2011年にデビューし、6年後の本作で初めて共演が実現した。

 萌音はこの役について「私と似ている部分がたくさんあります。姉として『しっかりしなきゃ』と思う気持ち、ジェラシーを感じる姿など、私も妹の心の強さ、ポジティブさを羨ましく思う時があったので」と語った(公開当時に発表された公式コメント)。

 2人が再び共演する時は、どんな役柄なのだろうか。

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