日本アカデミー賞「国宝」「鬼滅」「チェンソーマン」邦画好調でも浮かれられない…業界にはびこる「売上アップのからくり」

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 1月19日、日本アカデミー賞の優秀作品賞、優秀主演俳優・女優賞など正賞15部門各賞、新人俳優賞の受賞者が発表された。これは2025年1月1日~2025年12月31日までに公開され選考基準を満たした作品(日本映画168作品、外国映画179作品)の中から選ばれたもので、授賞式は3月13日に開催される予定。ヒット作多数で大いに盛り上がりを見せた映画界だったが、そこには「とある裏事情」が絡むという……映画ライターよしひろまさみち氏がレポートする。

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 2025年の映画界は「興行成績の数字だけで判断すれば」活況に見えた。が、内外の映画界における勢力再編や消費者需要が爆速で変化している今、手放しで「好調」と言いきれないのが実情だ。この変化については過渡期にあるため、もう少し動向がはっきりした時期に語りたいが、まずは日本の興収成績から、「好調にみえる」からくりを紐解きたい。

100億円超が5作品

 2000年代の大ヒット作『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』以来、22年ぶりに実写邦画の歴代最高記録を塗り替えた『国宝』、日本のみならず世界中で驚異的な成績をたたきだした「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章猗窩座再来」や『チェンソーマン レゼ篇』などの国内アニメーション映画の記録はまさに驚異的としかいいようがない。

 公開から半年経ってもまだ劇場動員が落ちない『国宝』は、2025年末までに約184.7億円で現在も記録を伸ばしており、『鬼滅~』は公開から185日間の成績が歴代興収記録の2位につける390.8億円。『鬼滅~』は、2020年公開の前作『~無限列車編』で打ち立てた歴代興収1位の記録を、最終成績で超すとみられている。

 今年公開された作品のなかで、メガヒットの基準となる「興行収入100億円」を超えた作品が5作品。前出の『鬼滅~』、『国宝』、『チェンソーマン~』のほか、『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』、『ズートピア2』がある。ここに邦画とアニメが4作品入っている。

 また、2024年は興収100億円超の作品が2作で、どちらも邦画アニメ(『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』と『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』)だった。

 歴代興行収入「トップ10」にも邦画、アニメが7作品を占めているので、単純に結果の数字だけをみると「邦画、アニメが人気」と映る。

 だが、これにはからくりがある。コロナ禍前の興収成績をみるとわかりやすいので、比較してみよう。

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