手本にすべきは「イトーキ」の社長メッセージ? 「統合報告書」が“きれいすぎる”企業に投資家が要注意な理由

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「イトーキ」の社長メッセ―ジ

 先の光定氏が優れた社長メッセージとして例示するのは、事務用品大手「イトーキ」の25年の統合報告書である。そこにはまず、

「24年11月に公正取引委員会から物流業務の委託内容について行政指導を受けたことに関しての謝罪がある。お決まりの内容ではありますが、社長自ら謝罪していることには誠実さを感じます。次に営業利益やROE(自己資本利益率)、PBR(株価純資産倍率)などの財務的な経営指標が向上していることをアピールした上で、従業員のエンゲージメントスコアの向上という、非財務面にも言及しています」

 肝心の自社のサービスについては、

「オフィス空間の創造が、人的資本の観点からも注目を集めており、そこに広大なブルーオーシャンが出現しつつあることが語られています」

 と、光定氏が続ける。

「空間デザインまで含んだ、より人的資本を意識した領域の重要性が高まっていることなどについて、デジタルデータの活用強化の取り組みと結合して述べられているので説得力があります。オフィス空間はESGの要素の一つですが、それが会社経営にとってなぜ重要であるかが、そのビジネスの当事者である社長の視点で語られているのです」

 社長メッセージが統合報告書全体の内容を総括する役割を果たしている。光定氏が評価するのはその点だ。

「社長メッセージ自体が、事業戦略やESGの取り組みなどの各項目と結合しているんですね。これは、社長が全ての事業に目を通して、その上で自ら統合報告書の作成に携わっていなければできないこと。社長が自らステークホルダーに向き合い、良い人材や投資を集めようとする姿勢が伝わってきます」

 ただし、そんな「イトーキ」の統合報告書でも“100点”ではないというから難しい。

 有料版の記事【「TBS」の“国際展開”、「デンソー」の“ソフト重視”… 「統合報告書」から未来の成長企業を読み解く方法】では、統合報告書から企業の良し悪しを見極める方法や「イトーキ」「デンソー」「TBS」などの将来性について詳しく報じている。

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