党首公選を訴えた“同志”を除名…衆院選“不出馬”表明の「志位和夫氏」 ソフトなイメージを一変させた「朝日に指図されるいわれはない」発言

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 第1回【共産党「志位和夫氏」の“不出馬”表明に元党幹部は「落選を恐れての逃走」と痛烈批判 …委員長の在位23年間で“議席半減”の罪と罰】からの続き──。大手メディアを中心に共産党の志位和夫議長(71)は“ソフトイメージ”の持ち主として報じられることが少なくなかった。東大卒らしい知的なルックスで、真面目一辺倒な人物かと思いきや、街頭演説では巧みな話術で聴衆を笑わせることも少なくなかった。(全2回の第2回)

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 ところが、その志位氏が従来の“ソフトイメージ”をかなぐり捨て、「朝日に指図されるいわれはない」と朝日新聞に噛みついて世論の顰蹙を買ったことがある。

 ジャーナリストの松竹伸幸氏(70)は共産党員で、党中央委員会でも勤務した“党エリート”だった。

 ところが2023年2月に『シン・日本共産党宣言』(文春新書)を上梓し、党首公選制導入、自衛隊合憲・日米安保条約堅持を主張する。これが共産党の逆鱗に触れた。

 共産党は松竹氏の除名を決定。これを問題視した朝日新聞が社説で「党のあり方を真剣に考えての問題提起を、一方的に断罪するようなやり方は、異論を許さぬ強権体質としか映るまい」と批判した。

 朝日の社説に志位氏は色をなして反論。記者会見では「悪意がある」「あまりに不見識だ」「朝日に指図されるいわれはない」「断固反撃する」と感情的な言葉が目立ち、識者は当然としてネット上でも「共産党に言論の自由はないのか」と批判が殺到した。

 元参議院議員で共産党のナンバー4にあたる政策委員長を務め、2005年に離党した筆坂秀世氏は「共産主義の歴史を振り返ると、レーニンが確立した『民主集中制』の弊害が浮かび上がります」と言う。

「上に逆らえない」共産党の現実

「民主集中制とは要するに『上の言うことに下は従え』という意味です。究極の上意下達と言って過言ではありません。日本共産党は有権者の支持を失い、80年代から党勢の衰退が始まりました。ところが第3代議長の不破哲三さんも、第4代議長の志位和夫さんも、口を開けば『党員を増やせ、「しんぶん赤旗」の購読者を増やせ』ばかりです。現場を無視した指示でも民主集中制だから逆らえません。特に党から給料をもらっている党員は下手に反論すると“クビ”になって生活ができません。結局、日本共産党の実像とは『本物のお役所よりも、お役所仕事が蔓延する組織』なのです。これでは有権者の支持など得られるはずがないでしょう」(筆坂氏)

 ところが共産党は「言論の自由を尊重すべき」という建設的な批判にさえ全く耳を貸さない。元日本共産党京都府委常任委員の鈴木元氏は松竹氏の著作に先立つ2023年1月に『志位和夫委員長への手紙』(かもがわ出版)を出版していた。

 やはり共産党に対し批判的な提言を行うという内容だったため、党は遡る形で問題視。3月に除名処分を下した。

 筆坂氏は「疲弊した現場の党員を見るに見かね、松竹さんと鈴木さんは真っ当な批判を行いました。ところが志位さんは、それを除名という強権で封殺しようとしたのです。これには有権者の批判が集中し、さらに党勢を衰退させたと批判せざるを得ません」と言う。

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