敵陣営からは「”不倫市長”から悲劇のヒロインにすり替えられた」「子供を利用するな」小川晶前前橋市長が“大熱狂のマイク納め”で見せた涙

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「子供たちからはちいかわに似ているって言われます」

 聴衆から涌き起こる「がんばれー」「あきらー」の声援。大熱狂である。演説後の「握手タイム」になると、路上は大混乱に陥った。幅3メートルほどの路上に、我先にと、握手や写真撮影を求める長蛇の列ができたのである。

 いつしか列は300人以上に達している。小学生や幼児までもが“テレビタレントが町にやってきた”と言わんばかりに、抱きついたり大興奮だ。

 午後7時から前橋中央イベント広場で行われた「マイク納め」にも200人近い市民が集まった。最後は小川氏が得意とする対話形式の集会だった。

 小学生5、6人から写真撮影をねだられた小川氏は、「子供たちからは『ちいかわ』って呼ばれています」。ちいかわは子供に人気のアニメキャラクターだが、支援者たちによればは小川氏に似ているのだという。ちいかわのシールを小川氏にプレゼントする子供も見受けられた。

 男子高校生はマイクを握って、熱い思いを語った。

「民主主義ってここにあるんだと強く感じます。みんなで作って、対話して、より良い社会を見せていくんだという、本来あるべき草の根からの民主主義を今我々は見ているんだと思います」

 うなずきながらマイクを握る小川氏の目にはいつしか涙が光っていた。

「前橋市民の良識が問われている負けられない戦い」

 午後8時の終了時刻が近づくと、遠くの方から大合唱が近づいてきた。

「まーるやま! まーるやま!」

 対立候補・弁護士の丸山彬氏の「練り歩き」だ。桃太郎のように先頭に立つ丸山氏が従えるのは、ブルーのジャケットで統一した約50人の支持者たち。山本一太群馬県知事が擁立し、自民党系会派の支援を受けている丸山氏は序盤から「ダブルスコアで負ける」などと劣勢が伝えられる中、最後まで意気軒昂だった。

 丸山氏の練り歩きが近づいてくると、小川氏は冷静に「丸山さん、お疲れ様です。お互い頑張っていい戦いをしましょう」と呼びかけていた。

 丸山氏の支援者はこう首を傾げる。

「小川さんは誰がどう見たって不倫を誤魔化して逃げた市長。それがいつの間にか、いじめを受けた被害者、悲劇のヒロインみたいに祭り上げられた。けれど、本当の被害者は『不倫市長の町』と全国から誹謗中傷を受けた私たち前橋市民です。何が起きているのかよくわからなくなってきましたが、今回は前橋市民の良識が問われている、絶対に負けられない戦いです」

 別の支援者は「子供を利用しないでほしい」と訴える。

「支援者の親が差し向けているのは明らかでしょう。あの子たちが大人になって、男女がホテルで密会することの意味をわかったとき、どんな気持ちで今日をどう振り返るのか」

 静岡県伊東市の田久保眞紀前市長の出直し戦に続いて、全国から注目を集めることになった前橋市長選。はたして市民の審判はいかに。

デイリー新潮編集部

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