京都の豆腐売りは、なぜ公家の住む横丁で声をひそめたのか――貧乏だが高位という「厄介な人びと」
京都の一角には、江戸時代、物売りが足を踏み入れた途端に声をひそめる横丁があったという。
また、幕府の重要な役職でもあり絶大な権力を誇る京都所司代が、風呂敷包一つを背負った男に慌てて馬を降り、礼を取るという奇妙な光景が見られることもあった。
その背景にあったのが、「貧乏だが、位だけは高い」という公家社会の存在である。
2022年に亡くなった文明史家・渡辺京二氏の「幻の講演録」をまとめた新刊『私の幕末維新史』から、公家について語った部分を再編集して紹介する。...

