明日発生するかもしれない「巨大地震」 対応できない日本の財政の危うさに気づくべき

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国家予算を超える規模の被害額も

 年が明けて間もない1月6日に、島根県東部を震源とするマグニチュード(M)6.2、最大震度5強の地震が発生した。昨年末、政府の中央防災会議の作業部会は、遠からず高い可能性で起きるとされる首都直下地震について、あらたな被害想定を報告書にまとめて公表している。それによると、首都周辺の直下を震源とするM7級の地震が発生すると、最悪の場合には、死者が1万8000人、全壊もしくは焼失する家屋は40万棟にのぼり、経済被害は約83兆円に達するという。

 同様の被害想定を政府が公表するのは、今回がはじめてではない。2013年の報告書では死者は2万3000人、建物の被害は61万棟とされていた。今回想定された揺れは前回と同じではないが、前回と同様の条件とした場合、死者は1万5000人で前回より約3割減少し、建物の被害は35万6000棟で約4割少なくなる見込みだという。耐震化や火災対策が進んだためだが、とはいえ、これだけの規模の地震が発生した場合、被害を減らすには限界がある。そんな地震が今後30年以内に発生する確率が、70%程度もあるというのだ。

 危惧されているのは首都直下地震だけではない。同じ作業部会は関東大震災と同様に、相模湾から房総半島沖にかけて延びる相模トラフを震源とする、M8級の地震が起きた際の被害想定も公表した。それによれば、神奈川県や千葉県の沿岸を最大10メートルの津波が襲い、最悪の場合、死者は2万3000人、全壊か焼失する建物は41万棟におよび、経済被害は60兆円を超えるという。

 そのうえ南海トラフ巨大地震が心配されることは、いまさらいうまでもない。中央防災会議の別の作業部会が、昨年3月に想定される被害規模を公表したが、今後30年以内の発生確率は60~90%程度で、最大で29万8000人が死亡し、直接の死者のほかに5万人以上が災害関連死し、経済被害は292兆円になるという。

 このように日本は、巨大地震に見舞われる可能性が、各地において常に高く、いったん発生すれば、数十兆円もしくはそれ以上の被害が発生しうる。しかも、そのように政府が公表している。それなのに、いまの日本には、甚大な被害が生じた際に対応できるだけの財政的余裕がなく、対応できるように余裕を持とうという意志もみられない。

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