明日発生するかもしれない「巨大地震」 対応できない日本の財政の危うさに気づくべき

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防災意識に欠ける防災予算

 この災害大国たる日本で、防災関係の予算はどのくらい組まれているのだろうか。内閣府は毎年、各省庁の防災対策予算額を集計し、「防災白書」で発表している。それを見ると25年度は1兆9450億円で、8兆4748億円の防衛予算にくらべるといかにも少ない。防衛を軽視していいとはいわないが、日本は時期こそ読めないものの、近未来に巨大な出費を余儀なくされるのが確実視されている。こうして巨大なリスクをかかえているのに、この程度の防災予算しか組まれていない現状は、防災意識に欠けるといわれても仕方あるまい。

 すでに発生した事例をみても、2011年3月11日の東日本大震災による被害額は、建築物やライフライン施設、社会基盤施設、農林水産関係など、建築物等を含むストックの直接被害額にかぎっても、会計検査院の調査報告によると16兆9000億円と推定されている。

 こうした被害額は、長期的にはさらに拡大する。土木学会は昨年6月、巨大災害の被害を想定した報告書をまとめた。そこでは発生後20年の経済的被害の総計が、首都直下地震で1110兆円、南海トラフ巨大地震の場合は1466兆円と推計されている。

 前述のように、耐震化や火災対策を進めることで、一定程度は被害を減らせるのはまちがいない。道路や橋梁の耐震化や電柱の地中化、水道耐震化などが必要で、土木学会も橋梁の耐震化に21兆円を投じれば369兆円分の被害を減らせる、などと試算している。だが、ここまで記したように、想定される被害額は天文学的なのに、それに備えようという姿勢は日本の財政からは見えてこない。

 それでも、いざ地震が発生したとき、国や自治体に借金できる余裕があればいいが、現状では、それはまったくない。アベノミクスによって積極財政が推し進められて以来、2012年末に997兆円と、すでに危険水域に達していた国の借金は激増し、2024年度末時点で1323兆円になった。2025年度の国の税収は約80兆7000億円と、初の80兆円超えが見込まれている。しかし、借金はその17倍近い。年収800万円ほどのサラリーマンが1億3000万円を超える借金をしているのと同じだ、といえば、危険性が伝わるのではないだろうか。

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