「日本は国際社会のトラブルメーカー」…「中国共産党」機関紙が「高市政権」を断罪 その一方で「人民解放軍」は台湾包囲、核弾頭を1000発に増強へ
有意義な成果が得られないと判断
ところが、首脳会談からわずか1週間後の11月7日、「存立危機事態」発言が飛び出したことで、中国外務省の孫衛東次官は金杉憲治駐中国日本大使を呼び出して強烈な抗議を行った。この裏には、「習氏が首相の発言に激怒し、『奉示』という最高指示を中国外務省に発し、日本への最大限の抗議を行うよう指示したことがある」(同筋)。
それ以降、中国政府は、日本への渡航自粛通達や日中間の各種団体の交流停止などの「対日制裁」を実行している。これにより、日中経済協会と経団連、日本商工会議所は今月20~25日に予定していた合同訪中団の派遣延期を決定した。経団連は中国側の「リアクションがあまりない」ことや「今後の日中関係の見通しが必ずしも明るくない」ためとし、同協会も「本団を派遣しても有意義な成果が得られないと判断した」などとコメントしている。
名誉挽回のための批判
このように中国側の怒りは相当なものだが、習氏からすれば、「台湾は中国の一部」であり、中国が台湾に軍事的手段を行使しようとこれは中国の内政問題であり、他国が干渉すべきではないのであって、首相の発言は受け入れがたいものであると考えたのだろう。このため、そのような首相との会談を勧めた王氏が現在、党指導部内で政治的に極めて微妙な立場にあることは容易に理解できる。王氏は事態の打開と自身の名誉挽回のため、「日本の現職指導者」との表現で、講演の場で首相を名指し批判したといえよう。
国際社会のトラブルメーカー
さらに、首相発言のあと、首相補佐官による核武装に関するオフレコ発言が報じられた。また、昨年末には2026年度予算案が閣議決定。防衛関係費(米軍再編関係経費を含む)として12年連続で過去最大となる9兆353億円(前年度当初予算比3.8%増)が計上されたことにも、中国は極めて敏感に反応した。
党機関紙「人民日報」の姉妹紙で、国際問題専門紙「環球時報」(12月26日付)は「日本は国際社会のトラブルメーカーとなった」との社説を発表。「日本政府は相次いで危険信号を発している」との書き出しで、「高市早苗首相は公に、日本が原子力潜水艦の導入を排除しないことを表明」したことや、「(首相の)側近である萩生田光一氏は複数の国会議員を率いて台湾を密訪し、頼清徳氏と会談した」、「日本の核保有発言をしたのは高市氏のもう一人の側近だった」、「高市早苗氏が政権を握ると、防衛費をGDP比2%以上に引き上げると同時に、武器輸出規制を次々と緩和した」などと、高市政権の右寄り路線の事例を列挙した。そのうえで、「歴史の教訓が示すように、軍国主義の亡霊が再び蘇れば、地域と世界に深刻な災禍をもたらす。日本当局は歴史問題で後退し、軍事拡張の道を猛進し、地域の結束を分断しようと画策し、『国際的なトラブルメーカー』としての役割を確固たるものにしている」ともかみついたのだ。
社説は続けて、「日本が実質的な核保有行動を取った場合、(主に国連安全保障理事会(安保理)が国際平和と安全の維持のために主導する)国連枠組みにおける制裁メカニズムが自動的に発動されるようにすべきである」と断じている。
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