新日本「ウルフアロン」デビュー戦が称賛を集める理由とは? 柔道界の先輩「元暴走王」との違いはどこに…「ウルフはプロレスで何よりも大事なことが分かっている」
ウルフの今後は?
試合後の会見でウルフは、「今日の勝利はビギナーズラックみたいな部分が大きいと感じています。EVILからすると、僕の技がわからない。ここからが本当の闘いと思っています」と謙虚なコメント。一方、引退試合を終えた棚橋は、「ビックリ。もっと伸びしろがあるんじゃないですか。僕らのプロレスの常識で測れるものをはるかに超えていた」と、ウルフを絶賛した。
一方、試合翌日の5日、92年バルセロナ五輪・柔道銀メダリストで、プロレスラーとしても活躍した小川直也氏(57)がウルフのデビュー戦についてWEBニュースで私見を述べた。
小川氏は《ウルフは今できることを精一杯やっていた。良かったんじゃない》などと試合内容をたたえたが、柔道着姿でプロレスデビュー戦を迎え、その後、徹底的に身体を絞り上げ、上半身裸で黒のショートタイツ姿に変貌した自身と重ね合わせたのか、《やっぱり体形だよ。(入団から)半年あったんだから、もうちょっとちゃんと絞ってほしかった》などと苦言を呈した。
「たしかに、小川さんは相手の技を受けずに、自分から殴って蹴って関節技を仕掛けるファイトスタイルだったので、あれぐらい身体を絞った方が説得力があったのでしょう。でも、ウルフさんはプロレスの基礎をしっかり1から学び、入門したころよりも身体は絞れていますが、どのぐらいまで絞れば受け身で相手の攻撃のダメージを軽減できるか、スタミナがどの程度持つのかなど、今は手探りの状態です。小川さんの言いたいことは分かりますが、同じプロレスのリングでも、小川さんとウルフさんでは全くやっていることが違うのです」(メジャー団体にも参戦した元レスラー)
デビュー戦でのタイトル戴冠から一夜明けた5日、ウルフは都内の大会での8人タッグマッチに出場。自身初のタッグマッチとなったが、相手はEVILとHOTのメンバー。最後はそのメンバーの成田蓮(28)に襲撃され、新たな因縁が勃発した。
「棚橋が引退した今、ウルフは早くも新日本の看板を背負う存在です。今後は都心の大会を中心に、ビッグマッチではカードを組まれることになるでしょう。柔道時代は五輪イヤー以外で大きな大会は限られていた。そこに向けて調整すれば良かったのですが、プロレスはそうはいきません。おまけに、柔道時代に比べて身体は計り知れないダメージを受けているはず。本人も会社も、体調をしっかり見極め、適度に休養を与えながら使わないとつぶれてしまうでしょう」(スポーツ紙記者)
ベストコンディションの維持はウルフ自身に負うところが大きく、今後のレスラー人生を歩むうえでの大きな課題だが、プロレスラーとしての成長をどうやって見せていくか、も大事な点である。
「新日本の創業者の故・アントニオ猪木さんの現役時代は、猪木さんが『一寸先はハプニング』をモットーに掲げていたように、何が起きるか分からないハラハラ感があり、常にレスラーと試合のストーリー展開が気になりました。新日本は現在、本隊のほかに大きな軍団が4つあり、抗争を続けています。ウルフは本隊入りが確実なので、今後はどの軍団の誰と絡ませるのかが大きなカギになります。最終的に目指すのは、4日のドーム大会で辻陽太(32)が奪還した、新日本の至宝とも言えるベルト・IWGP世界ヘビー級王座ですが、ウルフがどんな道のりでそこにたどり付くのかが見ものです」(先の元専門誌記者)
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