「創価学会」機関紙から「畜生にも劣る」とまで攻撃された……「政教一致問題」を追及した月刊誌の発行人が“戦いの歴史”を語る

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創価学会員だった

 私は創価学会二世の家庭で育ち、創価中学ならびに創価大学を卒業している。それだけに後輩らを犯罪に走らせた創価学会の体質に強い憤りを覚えたし、山上徹也被告の安倍晋三元首相銃撃事件を契機に宗教二世らに対する深刻な宗教加害の実態が顕在化しているいま、その思いはさらに強くなっている。

 そして創刊後に私と『フォーラム21』を襲ったのは、創価学会ならびにその関係者らによる訴訟攻撃だった。すでに創価学会は私に対して、和歌山県仏教会で行った講演での発言について名誉毀損だとして提訴していたが、さらに創刊から2カ月後の5月1日号(第5号)掲載の「立教開宗七五〇年の佳節に身延山・奥の院の前別当が脱税」なる記事を名誉毀損だとして提訴。それを皮切りに、向こう2年の間に創価学会そのものから『フォーラム21』記事への名誉毀損訴訟が2件、創価学会関係者からも2件の民事提訴と1件の名誉棄損罪での刑事告訴があった。また『週刊新潮』の創価学会関連記事へのコメントについて、新潮社との共同被告として2件の名誉毀損での提訴が相次いで起こされた。

 当時、創価大学同窓の創価学会職員から「上層部は乙骨や『フォーラム21』などすぐに潰してやると息巻いている」との情報も寄せられており、02年9月の創価学会全国総県長会議では青年部長の迫本秀樹氏がこんな発言をしている。

「乙骨の正体を暴いた小冊子が発刊された。一読していただければ、いかにマスコミ人として基本ができていないか、イロハが身に付いていないかが分かる。いつどこでなどの5W1Hをふまえていない。この小冊子は、9月11日頃、各会館に到着予定で、壮年、婦人、教宣部、青年部で活用をお願いしたい。(中略)乙骨は、選挙のたびに信教と思想の自由を守る会などやってきた。今回も、不当な媒体(※筆者注『フォーラム21』のこと)となって選挙妨害をしてくる。しかし、発刊半年もたたない中で、今回名誉毀損で訴えられた。内容は、この3月に、身延久遠寺の坊主による脱税事件を学会が仕掛けたという出所不明の証言にもとづく紙面をつくった。さらには、国税に学会が圧力を掛けたようなことまでいっている。この男の妄想は常人の意識を超えている。1000万円の損害賠償で訴えた。創価学会がついに言論封殺に出てきたと言っているが、望み通り、とことん破折し、どんどん訴える。表舞台に立てなくなるまで叩きつぶす」

「極めて低俗的な表現で攻撃」

 ゴキブリやハエでもあるまいし、そう簡単に叩きつぶされるわけにはいかないので私も全力で応訴したが、経済的にも物理的にも応訴の負担は小さくはない。幸い私は「叩きつぶされる」ことなく今日を迎え、その間の23年11月には創価学会の「永遠の師匠」(創価学会会憲)である池田大作三代会長の死去を見届けた。そして今年10月には創刊の動機となった自公連立政権の崩壊を目の当たりにすることができたことは幸いである。

 ちなみに『フォーラム21』と創価学会の裁判の結果は、前記の5号記事は一審で『フォーラム21』が勝訴したが、二審で逆転敗訴。逆に46号(04年1月15日号)に掲載した記事「検証――新事実が明らかになった『東村山事件』」を巡る訴訟では一審で敗訴したが、二審では逆転勝訴した1勝1敗だった。また、学会関連の人物からの民事訴訟には敗訴したが、刑事告訴については不起訴となった。

 そして、青年部機関紙『創価新報』に掲載された記事が私を誹謗中傷する名誉棄損に当たるとして訴えた裁判では、創価学会側に厳しい司法判断が出されている。同訴訟は創価学会の青年部長・男子部長・学生部長らが『創価新報』掲載の座談会記事で、私を「ガセネタ屋」「畜生にも劣るやつ」などと口汚く罵ったことについて起こしたものである。

 11年3月には東京地裁、同年11月には東京高裁がともに、宗教法人創価学会と正木正明理事長(代表役員)・本多正紀『創価新報』発行人(副会長)・竹内一彦青年部長・佐藤芳宣男子部長・森山城昌学生部長らに55万円の損害賠償の支払いを命じることとなった。中でも東京高裁は、創価学会側の主張する真実性と真実相当性は一切認めず、発言は「言論の自由の範疇」だとする抗弁についても、《(本件各発言部分は)被控訴人(乙骨)の人格に対して極めて低俗的な表現で攻撃を加えるものである。本件各発言部分が言論の自由の範ちゅうにあるものとして許容されるものでないことは明らかである》(東京高裁判決)と斥けた。

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