現役農家が指摘する「おこめ券」の盲点 2026年に起きるかもしれない民間業者の「投げ売り」と「米価の暴落」

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新型コロナの時と同じぐらい売れていない

〈農協は概算金(生産者への仮渡金)を60キログラム3万円台に引き上げたのに、意外に米が集まっていないという。その理由は、

「高齢でリタイアするつもりの農家にすれば、米価がこんなに高くなるのは二度とないから、高く買ってくれる業者に売ったようだ。農協に売って、もし米価が下がったら、概算金は最終的に米価に基き精算され差額は農家の負担になるからだ」

 と、ある精米業者は言う。ありえない話ではない。今は高値のせいで新型コロナの時と同じぐらい売れていない。そこへおこめ券で輸入米を買われたら、国産米の動きは完全に止まってしまう。すると、返済を迫られた民間業者の投げ売りが始まり、米価は暴落する可能性があるというのだ。〉

――しかし、大臣は輸入米が増えても「政府がどうこう言うべきことではない」と語っています。

渡辺:米屋さんなど民間業者の倒産が増えると、そんなことは言っていられなくなります。小泉前大臣が備蓄米を放出したとき、一部の小売店では店頭に並ぶまでに時間がかかりましたが、再び備蓄米を流す事態になれば、それ以上にスムーズに流れなくなります。なぜなら、業者の倒産で精米できるところが減り、保管倉庫も減り、物流が細くなるからです。

〈【鈴木農水大臣は「コメ政策」がわかっていない! 現役農家が懸念する「おこめ券」悪夢のシナリオ】では、引き続きノンフィクション作家の奥野修司氏と現役農家2名による座談会をお届けしている。鈴木大臣がこだわる「おこめ券」によって引き起こされるかもしれない日本の農業にとって「最悪のシナリオ」とは……〉

デイリー新潮編集部

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