「首相を前に“PB黒字化”を封印し…」 財界から不満噴出の経団連筒井会長、重ねた“失態”と2026年に抱える課題とは

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 金融業界から初となる経団連会長の内定が報じられてから早1年。昨年5月に就任して以来、粛々と“経団連然とした発言”を続けてきたように見える筒井義信会長だが、財界からの評判は芳しくないようだ。大舞台・経済財政諮問会議では本来の主張を封印し、悪化する日中関係も大きな影となり……。2026年は、期待に応えられる1年となるか。(桜井燈/ジャーナリスト)

 鳴り物入りで「財界総理」に就任してから7カ月あまりが経過した筒井義信経団連会長(71)の評判が散々だ。初の金融業界出身として日本生命から会長に抜擢されたが、期待を集めた経済や金融に対する深い洞察力は影を潜め、高市早苗政権に振り回されている印象が否めない。銀行に出向していた日本生命社員が銀行の内部情報を無断で持ち出していた問題で自身の求心力も低下しており、財界内では早くも「期待外れだ」との不満が噴出している。

「社会的な課題に偏ることなく目を配り、中長期的な視点で課題に取り組める人だ。製造業とか非製造業は意識することなく、あくまで人物本位で選んだ」――。

 2024年12月中旬、当時の十倉雅和経団連会長(住友化学会長=現相談役)は、次期会長に筒井氏を選んだ理由をこのように述べた。そして筒井氏は「機関投資家としての経験を社会性の視座というベースの中で生かしていきたい」と意欲を見せた。

 昨年5月末の総会で正式に発足した「筒井経団連」に対する期待は総じて高かった。筒井氏はそれまで経団連副会長として高い識見を示し、財界内では学者ばりの「理論派」として名を馳せていたからだ。製造業出身ばかりだった経団連会長に初めて金融機関から起用されたのも、人材不足が長年指摘されてきた経団連の停滞感を打破する強いリーダーシップに多くの財界人が期待を寄せたゆえだ。

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