「恐るべきライバル」だが「先祖の恩を忘れている」…ブーイング騒動の「張本智和」を中国メディアはどう論じたか 議論が沸騰した「高市発言」の引用

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 2026年は日中関係に大きな注目が集まる年となりそうだ。高市早苗首相による昨秋の「台湾有事」発言以来、両国の関係は悪化。さまざまな分野で影響が見られる中、余波を食ったと見られる一人が卓球の張本智和選手(22)だった。発言後の国際大会では中国ファンと見られる観客から大ブーイングを浴びせられる場面が目立った。なぜ中国の卓球ファンは張本に対し、このような行動に出たのか。中国メディアでの張本の報じられ方を見ると、その理由が見えてくる。
【西谷格/ライター】

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負けたら握手してくれない

 昨年12月14日まで香港で開催されていた卓球の国際大会WTTファイナルズの男子シングルスで初優勝を飾った張本智和。

 張本は宮城県仙台市生まれだが、両親は中国・四川省出身の卓球選手で、出生時は中国籍だった。だが、張本は小学生のときに日本国籍を取得し、現在はオリンピックを含むさまざまな大会で日本代表として活躍している。

 ルーツは中国にあり、しかも母は中国代表になった経験もある強豪選手だった。それにもかかわらず、現在は日本代表として中国選手のライバルとなったため、中国ではさまざまなバッシングを受けることも少なくない。

 11月下旬~12月上旬に中国・成都で行われた卓球の混合団体ワールドカップ(W杯)では、張本は観客席から繰り返しブーイングを受け、選手紹介の際には妹の張本美和選手の名前が読み上げられるアクシデントもあった。

 また、張本はこれまでも試合後に「いつも負けたらちゃんと握手してくれないんで、相手の監督が」と不満を漏らすことがあった。張本が勝利すると中国チームの監督は握手に応じようとせず、張本が敗北した場合にのみ、握手に応じたというのだ。

新たな突破力を

 中国人にとって、張本智和という選手は特別な存在として映るようだ。中国メディア『上観』は「張本智和はパリ五輪では日本チームのリーダーであり、最有力のカードである。今はより成熟し、中国チームにとって恐るべきライバルとなっている」と指摘。「生まれたての子牛が虎を恐れることがないように、かつての張本は若手らしい勢いがあった。現在はテクニックや経験を深め、新たな突破力を身につけている」と評している。

 張本の最新の世界ランキングは4位。ビッグゲームで中国選手を苦しめたり、勝利したりすることも少なくなく、卓球における中国の覇権を脅かす筆頭格と見られているのだ。

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