「恐るべきライバル」だが「先祖の恩を忘れている」…ブーイング騒動の「張本智和」を中国メディアはどう論じたか 議論が沸騰した「高市発言」の引用

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傲慢極まりない

 WTTファイナルズで張本は決勝進出を決めた直後のインタビューで「相手がどれだけ強かろうが、高市さんの言葉を借りれば、絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に優勝する」と述べていた。高市早苗首相は自民党総裁選を制したあと「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」と語り、話題となっていた。

 高市首相と言えば昨年11月に「台湾有事」発言を行い、その後は日中関係が急速に悪化している。そんな高市首相の発言を真似した張本に、中国のSNSでは非難の声が集まった。

「高市早苗の話をもとに5回も絶対という言葉を使ったのは、傲慢極まりない印象がある。中国国内で日本の首相を持ち出すのは不適切。アスリートとしての名誉を受ければ十分なのであって、政治的なメッセージを挟み込むのはうっかりとは思えない。これは計算された誓約書だ。彼はよく分かっている。血の繋がりを引き裂くようなやり方で、日本への安全な入場券を手に入れようとしているのだ」

 といった辛辣な書き込みや、「一家全員が売国奴」、「先祖の恩を忘れ去っている」などの非難の言葉もあった。

右翼集団に忠誠を

 ポータルサイト「百度」の個人メディアは、以下のように評した。

「中国のネットユーザーの多くは、この発言はある種の政治的傾向を有していると捉えた。高市早苗の言葉を引用したのは、日本国内の右翼集団に対する忠誠を示し、帰化選手という属性を薄めようとしたのではないかという見方もある。そうした見方を裏付けるかのように、日本のネットユーザーたちは張本を『日本人以上に日本人らしい』、『帰化市民の模範だ』などと称賛している」

「スポーツ界の人物が政治的な発言を行うと、自身のブランドイメージを損ねるだけでなく、集団間の情緒的な対立を激化させることに繋がりかねない」

 全体的に批判的なトーンが目立ち、別の記事では「優勝でも消せない『狂妄』のレッテル 張本智和のイメージ崩壊 名声は万能薬ではない」とのタイトルで張本を批判した。

「張本はWTTの大会中、何の遠慮もなく高市早苗について言及した。ご存じの通り、高市早苗は明らかに右翼の代表的人物である」

「張本は日本人選手だが、中国の血が流れている。現下のセンシティブな時期にこういう話が出るのは、いろいろ連想せずにはいられない」

「中国のファンからプレゼントをもらっておきながら、高市早苗への追随を大声で表明する。完全なコウモリ野郎である」

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