演歌歌手「徳永ゆうき」が明かす鬼レンチャンでブレイクするまで 俳優業に挑戦も大物監督から「コケるシーンにOKが出なくて…」

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山田洋二監督の演出

 徳永の俳優業といえば、山田洋二監督「家族はつらいよ」三部作も忘れられない。毎回、主人公の平田家にうな重を届ける「調子のいい鰻屋」として出演した。ここでも忘れられない思い出があるという。

「コケ方です。ボヤを発見して驚いて後ろにコケる、というシーンなんですが、何度やっても山田監督からOKが出ない。『君は本当にそんな倒れ方をするのか?』と言われて……。とはいっても、実生活でボヤを発見してコケたことはないし……(笑)。よし、こうなったら監督からOKが出るまで何度でもコケようと思いまして」

 山田監督の演出は、リハーサルを入念に行い、俳優の動きをしっかり確認したうえで本番を一発で、という流れだった。そこで徳永、「うわぁぁあああっ」と派手にコケたり、すぐにコケたりと……。

「何回コケたんですかねぇ。やっとOKがもらえて。山田監督は作り込むのではなくて、自然な演技、自然体を重要視されているのだと思いました。自然におどろいてコケているように見える、そこまで何度も何度も僕を試したのだと思います」

 もう一つ。バイクに乗って、坂を上がっていくというシーンがあった。ここで山田監督から突然、「君は、寅さんの歌(映画「男はつらいよ」の主題歌)を歌えるかい?」と言われた。

「鼻唄を歌いながらバイクで坂を上がって走っていく、というシーンになりました。歌は本職ですから、そりゃもう、気持ちをたっぷりと込めまして……」

♪俺がいたんじゃ お嫁にゃいけぬ

 と、本番に臨んだが……、

「歌に集中しすぎて、スピードが遅すぎるとNG。坂を下りて、もう一回となりまして、今度は大丈夫かと思ったら、右折するのにウインカーが出ていない! またNG。一つのことに集中したら別のことを忘れてしまう。本編の中の、ほんのわずかなシーンなんですけど、色々なことに気を遣わないといけない。役者さんて、本当にすごいなと思いました。苦労ではなく、本当にいい経験をさせていただいています」

 歌手と俳優、手段は違うが「表現する」ことは同じである。こうした現場での経験が、徳永を日々、成長させているのだろう。何より、その人懐こさと明るいキャラクターに、芸能界の大御所や先輩たちが、思わず面倒をみたくなるのではないか。

 2026年もこれまで同様、演歌歌手に俳優だけでなく、オファーのある仕事はこなしていきたいという徳永だが、第1回でも書いた通り、今年の目標は「プッシュプッシュで紅白!」だ。配信中の「明日に向かってプッシュプッシュ」で紅白歌合戦出場である。

「しっかり前を向いていける歌詞と、ノリもよくて自然と皆さんが笑顔になれる曲です。本当に素敵な曲をいただいたので、今年はこの曲とともに突っ走りたいです……あと、欲を言えば、大ファンの阪神タイガースの選手が登場曲で使ってくれないかなぁ(笑)」

 ちなみに、個人的な“推し”は近本光司選手だという。確かに、曲は野球選手の登場曲にも合いそうだ。今年の徳永に注目である。

【第1回は「2026年こそプッシュプッシュで「紅白初出場」なるか? 「鬼レンチャン」で話題「徳永ゆうき」がマジメに語る“演歌の魅力”」大人気番組から生まれた新曲と、演歌の奥深さをタップリと】

徳永ゆうき
1995年2月20日生まれ。大阪市此花区出身。奄美大島出身の祖父と両親の影響で、幼少のころから演歌と歌謡曲一直線で育つ。2012年「NHKのど自慢チャンピオン大会2012」でグランドチャンピオンを受賞。翌13年11月、BEGINの比嘉栄昇氏が手がける「さよなら涙に」で全国デビュー。14年8月、カバーアルバム「ゆうきのうた~故郷編~」を発売。同年9月、セカンドシングル「平成ドドンパ音頭」で「第56回 輝く!日本レコード大賞」新人賞受賞。また俳優としても山田洋二監督の映画「家族はつらいよ」など多数出演。趣味の鉄道撮影はプロ並みの腕前。特技は車掌のものまね、高速指パッチン、柔道(黒帯初段)。阪神タイガースの大ファン。

デイリー新潮編集部

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